2014年4月28日月曜日

Opt-Schoolさいたま校 体験会 開催!

4月24日(木) Opt-Schoolさいたま校の体験会を開催しました。  

非常にたくさんの方にご参加いただきました。
2号球(サロンフットボール)を使って時間内はひたすら、 足下のテクニックを鍛えました。
なれない2号球をつかってのトレーニングでしたが、みんな真剣に楽しんでプレーしていました。
ボールを自分自身でしっかりコントロール出来るようになればサッカーをもっともっと楽しんでプレー出来るようになります。

たくさんのご参加ありがとうございました。
さいたま校は5月開校します。
クラス開校後も初回は無料で体験出来ます。
是非ご参加ください。

【さいたま校概要】
http://school.opt-sports.co.jp/saitama

Opt-Schoo事務局

2014年4月23日水曜日

Opt-School湘南校 体験会 開催!

4月22日(火) Opt-School湘南校の体験会が開催されました。 
サロンフットクラスには8名の参加があり、 2号球(サロンフットボール)を使って60分間ひたすら、 足下のテクニックを鍛えました。

60分間のトレーニングでボールを動かして、相手をかわすコツがすこしつかめてきたようでした。1対1のトレーニングではボールを持っている選手が積極的にボールを動かしてディフェンスをだまして、逆を取る場面もたくさん見れました。

スピードトレーニングには、サロンフットから続けて参加の8名とこのクラスから参加の1名を加えて9名の参加がありました。

スピードトレーニングでは自分の身体を理解して、上手く動かせるようになる為のトレーニングをしていきます。

湘南校は5月開校予定となっております。
クラス開校後も初回は無料で体験出来ます。
是非ご参加ください。

Opt-Schoo事務局

2014年4月7日月曜日

西野 努 コラム「埼スタ最後のメッセージ」

[2014年3月号(最終号) FORCEより]

今年が明けたかとおもうと、もう3月。春がやってきます。
別れの季節でもあり、出会いの季節でもあります。
埼玉スタジアムサッカースクールを始めて丸8年。いろいろとありました。
立ち上げ当時は様々な苦言やご指摘をいただきました。正直、軸がぶれそうなときもありました。そんななか子ども達にとって何がベストか、保護者の方々は何をもとめてここへ来ているのかを感じ考えながら進んできました。
行き着いた答えは、“サッカーを通じた人間作りの場”とすることでした。

このコンセプトが正解かどうかは様々な意見があると思います。なによりも、教育に正解などありませんから、誰にもそのジャッジはできないと思います。ただ、教育に携わる大人としては、直面するすべての子ども達の“人生を面倒みる”という覚悟で指導に当たることが責務だと感じてきました。昨今の教育者(学校の先生・スポーツの指導者)に欠けているのはそこだと思います。人を育てるための“覚悟”。

幸い、このスクールは優れた指導者に恵まれてきました。そうした指導者の力を借りてこのスクールは発展してきました。プロの指導者をしている以上は不安定な世界ですから、いろいろな事情を抱えています。しかし、自信を持って言えるのは、彼らとともに、子ども達にとって、保護者にとって何がベストかをつねに考えて変化し続けてきました。

そして、我々はこの3月でこのスクールを去ることになりました。
子ども達の事、そして保護者の事を考えて来たにもかかわらず、最後がこのような形でご迷惑をおかけすることになるとはなんとも皮肉なものです。もちろん本意ではありませんが、サッカーでは何が起こっても不思議ではなく、人生では思いもよらぬ事が起こるものだとあらためて痛感させられました。
良いことも悪いことも含め、何が起こるかわからないのが人生。
大切なのはそういう何かが起こった時の姿勢だと思います。
どんなことが起こっても、そのことを自分のエネルギーに変え、自分を見直すきっかけとし、どれだけ次の人生に前向きに進んでいけるかでその人の人生が大きく変わっていくと思います。

最後に。
いままでサッカースクールに通ってくれた選手と保護者の皆様 サッカースクールを支えてくれたコーチ・スタッフの皆様
サッカースクールに関わるすべての人々本当にありがとうございました。

我々は、ここで経験したこと、培ったことを糧に日本サッカーのため、サッカーを愛する子ども達のために“覚悟”をもって
さらにがんばっていくこととします。

スクール生も保護者の皆様も、我々と過ごした時間を一つの
基盤としてもらえればこれほどうれしいことはありません。
また、どこかで皆様にお会いできることを
コーチ・スタッフ一同楽しみにしております。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「風邪の予防と夢の実現」 

[2014年2月号 FORCEより]

インフルエンザが猛威をふるい始める季節になりました。すでにかかっている人もいるかもしれませんが、予防方法についてお話させてもらいます。(このアドバイスは真剣にいつも話すのですが、たいてい笑われて終わりの予防方法です。しかし、私はこの方法でほとんど風邪を引きません。)

それは、“風邪など引くわけがない”と思い込むことです。(潜在意識まですり込むことです。)
普通であれば、風邪ひくといけないから、厚着して、マスクして、うがいと手洗いは忘れずにして、寒い思いをしないように暖かい場所にいる等々、人間が風邪を引くことを大前提とした予防方法が世間では当たり前となっています。
私から言わせれば、寒い場所を避けたり、厚着をしたりが当たり前になれば、寒さに弱くなり、風邪を引きやすい身体になります。人間には免疫力と自然治癒力という最も高度で科学ではまねのできない予防方法が元々備わっています。その免疫力や自然治癒力は、自然の姿から遠ざかれば遠ざかるほど弱くなります。ある程度の免疫力を保つためには、風にあたること、太陽にあたること、少しでも薄着でいること、言い換えれば、自然に近い形でいることが大切になります。
そうして、免疫力や自然治癒力を保っていれば、人間は風邪なんて引くわけがないのです。“病は気から”といいますが、私がいうと、“病は弱気から”です。


この思考法は、実はプロサッカー選手時代のメンタルトレーニングから身につけたものです。人間の脳は、習慣のように同じような考えを続けていると、その考えが自分の潜在意識にすり込まれ、その人間にとって当たり前になってしまう。そして、ひいては、その考えが現実化するという仕組みです。
極論すれば、思考は現実化するのです。子ども達には、是非、普段よりも一枚くらいの薄着で、「人間、普通は風邪引かない」という思い込みをしてもらいたいです。
この方法は、どんな風邪の予防方法よりも効き目があります。

そして、同じように、毎日、「プロサッカー選手になるんだ」って考えたり、「勉強で100点とるんだ」って考えたりを続けていると、それって、現実化しますら、そういう思考の習慣を続けてほしいです。
簡単に言うと、夢を映像でイメージし続けるだけの話です。それも、布団に入って、夜眠る前が一番効果的です。

風邪を引かない身体になって、そして、プロサッカー選手になりませんか?
ぜひ、試してみてください。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「夢はもつべき?」 

[2013年12月号 FORCEより]

私は学生時代には全国大会に一度も出場したことがなかった。しかし、大学時代の同期にたまたま上手な選手がたくさんいて、大学の3〜4年を関西学生サッカーリーグ1部でプレーし、プロ選手になれた。私ともう一人、同じ大学からプロになったのが八十祐治氏。彼は選手引退後、弁護士となり、活躍している。彼と私はある意味対照的な人間だと思う。彼の講演を聴いて初めて知ったのだが、八十氏は、神戸大学のサッカー部でプレーしたいがために、1浪して、入学。私は、現役で入学し、先輩に誘われてなんとなくサッカー部へ入部。

プロサッカー選手になったのも、私の場合は、ただ一生懸命プレーしてたら、声がかかって、浦和レッズへ加入した(正直プロなんて考えてなかった)。しかし、彼はサッカー選手になることだけしか考えてなかったという。(プレー歴は、ガンバ大阪・ヴィッセル神戸・アルビレックス新潟・横河電機)
引退後も、彼は何か高い目標を打ち立てたいということで、難しい国家試験を受けなければならない弁護士の道を選ぶ。
要するに、八十氏は、つねに高い目標を設定して、そこへ到達する努力を繰り返し実現してきた。

一方の私は、いつも高い目標を設定することはなく、常に目の前にある挑戦や課題に必死に取り組んできた結果の積み重ねでここまできた。

「夢を実現することはすばらしい」と人々は言う。「目標を持て!」と人はいう。
わかりやすくて、すばらしいことだと誰もが納得する。でも、みんながみんなそうでなければならないとは決して思わない。

八十氏のように、夢(目標)を実現させることももちろんすばらしい。
しかし、今目の前にあることに必死で取り組んでいれば、それはそれで自然と自分にあった道が拓けてくることも事実。
山頂を見据えて、登り続けることもあれば、足下の一歩一歩を確実に踏みしめていけば、山頂にたどり着くことができる。

夢や目標を子ども達に強制していないかと自分を振り返る。
夢や目標を持つこと(イメージすること)が簡単になった今、そこへ至るプロセスの大切さが軽視されがちではないか。
日々の練習、単なる練習試合、毎日の宿題、毎日の遊び、挨拶、掃除。
そうしたことに一生懸命取り組まない人間が夢や目標を語ったところで、空想・夢想に終わる。

夢を語ること(目標を持つこと)目の前の現実に集中して一生懸命取り組むこと。
両方が大切。どっちが大切かと言われれば、私は後者だと言う。そのなかから、必ず目標や夢は目の前に現れてくる。
世の中の流れは、シンプルでわかり易いものばかりが、受け入れられる傾向。
しかし、人生や世の中は決してシンプルでわかり易くはない。
もっと自身に自信を持ちたい。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「日本人サッカー選手のスキル」 

[2013年11月号 FORCEより]

今回、Manchester United のサッカーキャンプで優秀選手に選ばれた6人の選手が
マンチェスターへ招待され、そのアテンドで選手とその保護者を引率してきた。

ツアーの内容は贅沢なモノで、スキルファイナルの他に、トップチームの練習見学
(ここでは、トップチームの選手全員と写真撮影、サインをもらえた)、オールドトラッ
フォードでの試合前練習、試合観戦、アカデミーの練習試合観戦等々。
参加者全員が非常に楽しんで満喫した4日間だった。

スキルファイナルでは、予想通り、日本から参加の6人の内の1人がで優勝した。
15歳までの選手が、約20カ国から40名ほど参加。その中での優勝だからたいしたものだ。テストを受けたのは、以下の4つ。
1. パススキル      
2. リフティングスキル    
3. ドリブルスキル    
4. 浮き球キックスキル

いずれも、一発勝負のテストであり、練習すら一度もさせてもらえない状況だったため、参加選手はみな緊張しまくっていた。
日本人選手もみな、やはり緊張のあまり自分の力を発揮できずに終わる選手がほとんどだったが、優勝した選手だけは、そんな環境の中でもしっかりと自分の力を普通に発揮していた。

一番問われたのは、結局、メンタルスキルだったのではないかと思う。
他の5人の日本人選手も、ボールテクニックは本当にレベルが高く、8歳で参加した2名などは、驚くほどのものだった。
育成年代での日本人選手のレベルの高さは、やはり予想通り世界でもトップレベルといって良いモノだった。

ドイツでブンデスリーガのチームに勤める日本人スタッフの講演を聴く機会があったが、同じように言われていた。「中学生年代までは、日本から遠征にくるチームがドイツのトップリーグのアカデミーチームをこてんぱんにやっつけることは珍しくない」と。ここでも日本の育成年代でのクオリティーは証明されている。

では、その後の何がヨーロッパの高いレベルの国々と日本の違いをつけているのか、
真剣に考えてみる必要があると思った。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「親のできること」 

[2013年10月号 FORCEより]

私事だが、この夏に父親の古希のお祝いと、金婚式のお祝いを家族で実施した。自分の結婚式をハワイで開催し、国内では友人が中心となっての披露パーティーのみだったため、かしこまった式で親向けに挨拶することは初めてだったが、改めて、親がなにを自分たちに伝えてくれたか。何を自分たちは子ども達へ伝えていったらよいかを考える機会となった。

思い出せば、数限りなく様々なことが脳裏をよぎるが、中でも心に深く残っていることは、母親がいつも、姿が見えなくなるまで自分たち子どもを見送ってくれていたこと。実家からバス亭までは長くまっすぐの道なので、正直見えている背中が豆粒くらいになるまで見送ることができるが、必ず見えなくなるまでこちらに手を振ってくれていた母親の姿は忘れないし、今でも実家に帰るとそうしてくれている。今思い起こすと、「常に誰かに見守られている」という安心感をもらっていたように思う。子どもにとって、この“安心感”がどれほど重要かは、今いろいろな子どもや選手の指導に携わる立場としては痛感する。
父親からは、「本を読め、本は頭の栄養だ」「人のいやがることを進んでやれ」等々言われ続けてきた。いま、父親として同じことを子ども達へ伝えている。母親がしてくれたように、子どもを見送っている。

決して、自分の親をほめる訳ではないが、親としてできることがなんなのかを教えてくれたと思っている。所詮、親といってもできることは限られている。“親”という漢字が「木」の上に「立って」「見る」という構成なように、できることなんて見守ることくらいしかないのかもしれない。しかし、子どもを信頼して見守るということがいかに大変なことかは、今自身で実感している。

今の世の中、何でもそろっていて、[子どものため=子どもに苦労させない]という流れになっている。なんでもかんでも親が口を出し、親が手助けし、面倒を見がちになっている。子どもは守れば守るほど、弱くなる。一方で、こわごわとやらせてみたら、驚くほどに見事に何かをこなしてしまうことも多々ある。親としては、最低限のリスク管理だけをして、子どもを一人の人間として扱いたいと思う。そして、我慢強く、信頼して、見守るというスタンスも必要だと思う。

親離れ、そして子離れ。
自分にも言い聞かせている。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「規律」

[2013年9月号 FORCEより]

夏休みもあっという間に終わりました。
埼玉スタジアムサッカースクールでは、草サッカー、Force Match, フェスティバル等イベントがたくさんあり、本当に多くの選手たちが参加してくれました。
全国各地では、全日本少年サッカー大会をはじめとした様々な大会も開催されました。たくさんの大会やチームを観て思うことは、個の成長にフォーカスしているチーム、そして規律がしっかりしているチームが強いということです。

この年代で思うことは、個の成長とチームの結果をバランスにかけなければならないことが多々あるということ。
たとえば、試合中、最終ラインの選手がボールを持ったときに、「蹴り出せ」という指示を指導者がするとします。チームの、その一試合の勝利のためには、安全に蹴り出すということも有りでしょう。しかし、それに慣れてしまうと、チャレンジしない選手になります。万が一、そういった大事な試合で、自陣ゴールまえでチャレンジし、相手にボールをとられ、失点。そして、万が一それが原因で試合に負けたとしても、その選手にとってみれば、二度と忘れられない失敗となるでしょう。年代の若いうちにそのような失敗はたくさんしたほうがよいと私は思っています。そういう失敗を糧に、必ず成功してくれるはずだからです。

目の前の一勝のために、個々の選手が成長する機会を失っていないか、指導者はつねに自身の指導を振り返ってもらいたいものです。そして、結局は、個の成長にフォーカスしているチームが、チーム力もアップして強くなって行ってます。

また、ピッチ内外で、しっかりと規律がとれているチームはつよいです。言われなくても、自ら動ける選手。鞄や靴をしっかりとそろえておける選手。時間を守れる選手。
こうしたことをいちいち指導者や親に言われなくてもできるチームは、やっぱり強いです。

実は、こうしたピッチ外での行動は、ピッチ内でのパフォーマンスにつながっているのです。
岡田武史前代表監督は、横浜Fマリノスの監督に就任したとき、選手の更衣室へ入り、「脱いだものはしっかりとたたんでおけ」と選手全員に指示したそうです。プロ選手でさえ、そこから始めるのです。

技術や体力だけでなく、ピッチ外での選手指導と育成にも目を配っていきたいものです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「忙しい夏休み」 

[2013年8月号 FORCEより]

夏休みに入り、子どもたちも忙しくしているのではないでしょうか?我々が子どもの頃(30年くらいまえ?)には、合宿といっても所属している少年団の合宿くらいしかありませんでしたが、今となっては海外クラブのキャンプがあったり、民間のキャンプイベント、学習塾の合宿など、様々な選択肢があり、それこそどれに参加しようかと親子でいろいろと悩まれたところも少なからずあるのではないでしょうか?
海外へ短期留学という選択肢ももちろんあります。

親の役割としては、子どもたちに様々な機会の提供や選択肢を提示してあげることだと思っています。
様々な経験を通じて、自分の好きなことや得意だと感じられることを発見し、その道でどんどんと突き進んでほしいです。

当サッカースクールでも夏には草サッカーやFORCE Match等開催しますが、そのほかにどんなイベント・キャンプがあるか紹介します。

【海外サッカークラブのサッカーキャンプ】
マンチェスター・ユナイテッドをはじめとして、ドルトムント・サントス・FCバルセロナ・レアルマドリード・アーセナル等のクラブがこの夏休みに子ども向けサッカーキャンプを実施しています。開催時期や場所はそれぞれですが、人気があるようです。

【NPO等の開催によるキャンプイベント】
NPO法人キッズ・ワン・ワールドは毎年東京お台場で外国人との交流サッカーキャンプを実施していますし、サマーキャンプ等を実施している非営利団体はたくさんあります。こうした組織主催の場合、参加費が安いことが特徴の一つになっているので、早めに申し込まないと定員になるキャンプがたくさんあります。

【日帰りの体験イベント】
農業体験・農場体験等、様々な体験イベントがあります。よる森体験という珍しいキャンプも興味深いです。それこそ、マリンスポーツもあれば、登山もあります。日帰りのイベントは今からでもまだ間にあう企画がたくさんあるので、空いている日程については検討してみてもよいのではないでしょうか?

【海外短期留学】
夏休みのみ、海外へ留学するというのも一つです。最近では短期の海外留学も対象年齢がさがってきているものがあ
ります。さすがに今からというわけにはいかないと思いますが、来年度以降のキャンプを検討するには、今からでも早過ぎはしないでしょう。

☆ ☆ ☆
選択肢は確実に増えてきています。その中で、どんな選択をするかは、子どもだけではなく、親も一緒に話し合って決めていきたいものです。ちなみに、私自身は小学生時代に参加していたカブスカウトのキャンプでの肝試しが今だに思い出に残っています。
そんな思い出を一つでも、夏の休みで作ってほしいと思います。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「競争性(Competitiveness)」 

[2013年7月号 FORCEより]

6月の最初に久しぶりにイギリスのリバプールを訪れ、リバプールFCのアカデミーを視察させてもらった。

そこで開催されていたのは、5歳児・6歳児のチームに入るためのセレクションだった。
多くの子どもたちが集められ、その中から8月以降に編成される学年別のチームに入る子どもが選ばれるという仕組みだった。驚いたのは、この年代から毎年チームと契約し、選別されていくと言うことだった。もちろん、金銭は発生しないが、毎年ふるいにかけられると言うことになる。

一つ一つの練習にかける真剣味は違ってくることは明らかだ。

また、友人のスコットランド人コーチと話したことだが共通する話題だった。日本人選手は一つ一つの練習に対して、本気で勝ちたいと思って取り組んでいないことが弱点だと。たとえば、ボール回しの練習にしても、些細なことだが、回すことと回されることで生じる勝ち負けにこだわらない。
股の下を通されても笑っている。こうした部分が、日本人選手が勝負弱いことにつながると。

他の例だと、レッズOBチームが昨年ザ・ミイラという芸能人チームと対戦したとき、ラモス氏が対戦相手に入っていたが、点を取られれば取られるほど真剣に怒りムキになってプレーしていた。
トニーニョ・セレーゾ監督含むアントラーズのコーチングスタッフと試合をしたときも、試合結果に満足できない
セレーゾ監督は、試合後怒って握手もせずに会場を去った。

指導者としては、このような環境をいかに作れるかが課題になるのではないか。
真剣に取り組むから、勝てばうれしい。 
真剣に取り組むから、負けたらめちゃくちゃ悔しい。
だから、次に勝てるように練習をさらにがんばる。

この姿勢はサッカーだけでなく、すべてに共通する姿勢となる。
サッカーを通じて、真剣に何かに取り組む喜びを経験してほしいと思う。
そして、そんなサッカースクールでありたいと思う。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「Manchester United キャンプ」

[2013年6月号 FORCEより]

2013年のこの春から、Manchester United が日本国内でキャンプを実施している。
小学生から中学生を対象にした3日間のキャンプだが、非常におもしろいプログラムを提供してくれている。

ひとつは、ウォーミングアップ。リアクション系のゲーム形式のもので、「身体をウォームアップする前に、脳をウォー
ムアップさせよう」という考え方で各練習の最初には様々な練習を実施している。神経を集中させないとうまくで
きないので、選手達の集中の度合いはすばらしいモノだった。練習のはじめに選手を集中させ、コーチの方向へ向
かせるという意味では、非常によく考えられたものだと思った。
次に、各日に実施される講義。そのうちのひとつで非常におもしろかったのが、キャプテンシーについてのもの。キャプテンに必要な要素はどんなモノかという問いかけに対し、30枚くらい用意されているカードから3つを自分の考えで選ぶ。カードは[勇敢さ][決断力][優しさ]等々、表が英語で、裏が日本語になっている。そして、Manchester United のトップチームの選手の写真やビデオをみながら、「たとえば、ビディッチ選手はどんな要素を持っていると思う?」などと考えながら、キャプテンに必要な素養を考え、最後は発表する。自分で考え、仲間と議論し、自分の口で発表する。楽しい時間でありながら、ピッチ上のパフォーマンスにも生き、そして英語の訓練にもなる。有意義な時間である。

こうしたプログラムの中で、共通して大切にしている要素が3つある。
「Work Hard」一生懸命プレーする 
「Work Together」仲間と協力してプレーする 
「Believe in yourself」自分自身を信じる


閉会式では保護者が花道をつくりがんばった選手達を送り出すという非常にこじゃれた演出までしてくれ、保護者の満足度も高かった。3日間という短い時間だが、Manchester United のジャージを着て、こうした非常に充実したプログラムを満喫できる。選手も保護者もManchester United のファンになってしまっていた。

指導やプログラムだけでなく、いかにして選手達をサッカーに夢中にさせ、そして保護者も巻き込み、良い時間を提供するかという点で、非常に勉強になった。そして、いかにしてクラブのファンを造り出していくかという点でも様々な工夫がなされている。
やはり世界一のクラブだけある。
指導という点では、我々も見習うべきものがたくさんあったし、Jリーグのクラブもファン作りという点では、取り入れても良いだろうと思われる工夫が山ほどあった。そろそろ、アジアを視野に入れたJクラブが出てきてほしいものだと思う。
世界に目を向ければ、夢もふくらむ。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「3つのスピード」

[2013年5月号 FORCEより]

この5月終わりから6月にかけて運動会が開催される小学校も多いかと思いますが、リレーの選手だとか、徒競走だとか、足が速くなってほしいと親子ともに思う時期です。当然、サッカー選手としては足が速いことは大きな武器になります。しかし、なくてはならないモノでもないということは理解しておきたいです。

サッカー選手にとって必要なスピードは3つあります。

一つ目は、走るスピード。サッカーで一番大切なスピードは3m〜5m程度の短い距離を誰よりも速く走れることです。試合中に30mや50mを素走りでかけっこすることはほとんどなく、相手をドリブルでかわす際のスピードや、ルーズボールを奪い合う時のスピードです。所謂、瞬発力と言われる能力です。
この能力を上げて行くには、所謂フィジカルトレーニングがおもな方法になります。

もう一つは、ボールを持ったときのスピード。これは、ドリブルの技術とも言えますが、いかにボールをコントロール下に置きながらスピードの緩急をつけて相手をかわすことができるかということになります。
これは、もちろん、ドリルやスキルトレーニングが重要になります。

最後が、判断のスピードです。サッカー選手にとっては、このスピードが一番重要となります。ボールをもらってから考えるようではまったくだめで、ボールをもらったときには次のプレーへ素早く移っているという能力になります。この能力は、ボールを持っていない時間にどれだけ考え、予測し、準備しているかということが重要になります。


昨今の日本人選手は、スピードのある選手やボールを持ったときに上手な選手はたくさんいますが、やはり判断のスピードが早い選手は、ゲームを見ていても目立ちます。言葉を換えると、”Read The game”の能力です。
海外で活躍する香川選手や本田選手、ガンバ大阪の遠藤選手などは、決して素走りが速い選手ではありませんが、判断のスピードは世界のトップレベルにあります。だからこそ、あのレベルでプレーできているのです。この能力を高めていくためには、何をすれば良いという明確な方法はなかなかありません。試合の中で、練習の中で、そういった意識をたかめて取り組むしかないと言えます。また、試合や練習中だけでなく、日常生活のなかから、つねに次の為に備える習慣、人の裏をかく習慣など、思考としての習慣も重要になります。

こう考えると、日常生活のなかで鍛えるべきものがたくさんあると言えます。
勝負事はどんなことでも勝ちにこだわる。 相手の裏をかく。 次への準備を怠らない。
そんな意識付けもしていきたいです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「教育の原則」

[2013年4月号 FORCEより]

この4月より新年度が始まりました。
8年目を向かえる埼玉スタジアムサッカースクール、今年もよろしくお願いします。

さて、新年度は毎年保護者会を実施しますが、今年度も各曜日の各時間帯に実施させて頂きました。そこでは、コーチの紹介や事務手続き等についてお話させてもらいますが、今年は「保護者(指導者)からの声かけと子どものモチベーションの関係」についてお話させていただきました。
褒めるときのほめ方によって、子どもがより難しい課題にチャレンジする姿勢に変化がでて、結果的に能力の発展にも影響が出てくるという研究結果を紹介させてもらいました。
結果は自然と出てくる物であり、重要なのは今その瞬間に一生懸命取り組んでいるかということ。結果を褒めることももちろん大事ですが、そのプロセスの部分で、しっかりと取り組んでいるかに目を配り、そこを褒めることはもっともっと大事だと言うことを再認識させてもらえます。結果がすべての世界は、大人(プロフェッショナル)の世界であり、成長過程にある子どもたちには、取り組む姿勢をしっかりと身につけてもらいたいものです。

教育・政治については、国民が自分たちの頭と力で自立しなければならないと日々思わされます。経済についても、アジア・世界という視点が必要不可欠になってきています。そんな世の中ですから、子どもたちにも常に視野を広く、常識にとらわれない考え方をもってもらいたいし、持つ習慣をつけてもらいたいものです。英語の学習はそうした視野をもつためのきっかけになります。英語を学習することで、日本とその文化についても造詣を深めてもらいたいと思います。

サッカーの指導者も一教育者です。 私は昭和の大教育者である森信三氏の著作を好んで読んでいます。
○ 腰骨を立てること  
○ 「はい」と返事をすること
○ 脱いだ靴や履き物をそろえること
教育とは、この3つにつきるそうです。

サッカーにおいても全く同じではないでしょうか?
奇しくも、1950年代から来日しサッカー日本代表を強化したデッドマール・クラマー氏は、当時の日本代表選手に対して「便所のスリッパはそろえろ」と指導したそうです(落合弘さんから聞きました)。すべては次の人の為、次の準備の為、それが自分の為だという意味なのではないでしょうか?
真理とは、時代を超えて共有できるものなのだと感じさえてもらえます。

ここ最近、サッカー指導関連の本がたくさん出版されていますし、一般の書籍に関してもハウツー本がたくさん出ています。それだけ売れていると言うことだと思います。しかし、「簡単に〜〜〜〜できる、、、、」というのは、100%嘘だと思っています。世間一般的に、要領や楽して何かをすることがもてはやされていますが、サッカーに関しても何に関しても、大切なことは今も昔も変わらないと思います。
世間の流れやメディアの情報に振り回されていないか、自省しながら子どもたちと接していきたいです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「Jリーグの新人研修」

[2013年3月号 FORCEより]

 毎年お手伝いさせてもらっているJリーグの新人研修が今年も2月1日から2泊3日で静岡嬬恋にて実施された。今年は約140名の参加で、そのうち、大卒が半分、高卒の内アカデミー卒が3割・高校サッカー部卒が2割といった内訳になっていた。そのなかでも今年目立ったのは大卒のなかでもJクラブのアカデミー卒で大学に入り、そこからプロ選手になった選手が10名以上いたことだろうか。
さすがに、Jクラブも40クラブとなり、アカデミーの充実がJリーグの理念でもあるために多くのプロサッカー選手が
そこから排出されてくるようになったのだろう。少し前までは高校サッカー部卒の方が多かったように覚えているので、
徐々に選手育成の構図も変わってきていることを感じた。

〜人間力〜

その新人研修のなかで、毎日講話があるのだが、今年は元国見高校サッカー部監督の小嶺忠敏さんの話が
興味深かった。話の要旨は、
● サッカー選手に必要な要素は、技術・体力・戦術・精神力に加えて人間力
● 子育ては一貫性と継続性
● 万能な人間はいない。何か一つ個性(突出した能力)を探し出してやり、そこを伸ばす。
子育てにも共通することが多々感じられた。
なかでも、人間力という非常に抽象的な言葉を何度も繰り返されていたことは印象的だった。結局、人間力とは何かという明確な説明はなかったように思うが、人間に必要な基礎力ということだろうと理解した。挨拶・身だしなみ・言葉遣い・時間を守る等々。

〜個性を見つけ、伸ばす〜

そして、何か一つの個性を見つけ伸ばすことが指導者としての重要な責務だという言葉も身にしみた。簡単な例をだすと、1994年から1996年まで浦和レッズに在籍したウーベ・バインという選手は、左利きの選手で、右足でキックすることなど観たことがなかった。しかし、どんな体勢でもどんなボールでもワンタッチで自分の左足の前に止める技術と、左足のキックの技術は間違いなく世界のトップレベルだった。「逆足でも自在に蹴れるようになることが大事」という考えや指導ももちろん有りだが、、、平均的に能力が高いよりも、何かで突出している方が、高いレベルで通用する可能性が高くなるということだろう。


☆ ☆ ☆
最後に、一貫性と継続性という言葉は、シンプルでなじみのある言葉だが、実践することが大事だと思う。そして、実践することが非常に難しい。親としても、指導者としても、この言葉は胸に刻みつけて行きたい

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「プレースタイルと性格」

[2013年2月号 FORCEより]

 サッカーのプレーにその選手の性格が表現されるとは良く言われる。
性格だけでなく、その時の心理状況もプレーに現れてくる。技術、体力を鍛えるだけでなく、心も鍛えなければならないのは技術や体力の使い手、司令塔となっているからだ。

 私自身、最近でも月に1〜2回、サッカーを楽しんでいるが、自分の心理状況が大きくプレーのパフォーマンスを左右することを実感する。同じボールをもらうだけにしても、“ボールもらえたらいいなあ”という気持ちの時と、“今、俺にボールを渡せ”と思っているときとでは、後者のほうが、味方がボールを渡したくなる。ボールを持っている相手と1対1で対面しているときには、“ボールをもたれている”と思うのではなく、“ボールを持たせてやってる”と考えるだけで、焦ることなく相手に対応できるし、そう思っていると、えてして相手はボールを後ろへ戻す。

 なんども繰り返し伝えていることだが、技術や体力というツール(道具)が優れていても、それを使う人間がどうやって使ったら良いかをわかってなければ良いパフォーマンスは発揮できない。いくら、包丁とまな板、素晴らしい食材がそろっていたところで、どうやって料理をしたらよいか、どう味付けをしたら良いかをわかってなければおいしい料理を作ることはできない。

 “心”を鍛えるには、どうしたらよいか。
もちろん、持って生まれた性格や気質もあるかもしれないが、子どもの頃から、逃げずに相手と勝負するという事を繰り返していくしかないと思う。11対11で試合をしていても、それで全員が勝負しているかと言われれば、そうでもないことが多い。

 相手陣地でボールをもっていて、前が空いているにもかかわらず、もしくは相手が1人しかいないのにも関わらず横パスやバックパスばかりしているようでは、フル出場したとしてもその選手は勝負をしていないと言える。奪われるのを恐れてドリブルで仕掛けない選手は勝負をしていない。抜かれるのを恐れて、ボールを持っている相手に対してアプローチしたりチャレンジしたりしない選手は勝負をしていない。
親として、指導者としては、試合の勝ち負けだけでなく、試合の中で個々の選手が真剣に勝負に取り組んだかを見ることが必要だと思う。
そして、“逃げる”ということが最も反省すべき姿勢となる。

 技術や体力アップを教えていくことはそんなに難しいことではないが、“心”を鍛えることは結構難しい。
親としても指導者としても、子ども達の“心”を鍛え、強くしていきたい。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「 2013年 あけましておめでとう」

[2013年1月号 FORCEより]

2013年になりました。あけましておめでとうございます。
今年が埼玉スタジアムサッカースクールに関わるすべての人にとってすばらしい一年になりますように。また、積極的にすばらしい一年にしたいと思っております。
今年も一年、よろしくお願いします。

〜20周年のJリーグ〜

サッカー界にとっては、プロサッカーリーグ(Jリーグ)が開幕して、ちょうど20年となります。プロリーグとして、振り返ると歴史を積み重ねてきているのだと実感できます。ヨーロッパのプロリーグが100年以上の歴史があることに比べれば、また、80年近くの歴史がある日本のプロ野球にくらべてもまだまだだが、その発展のスピードとクオリティは世界に誇れるものになっていると思います。

〜ハードルが低くなっているプロの壁〜

Jクラブは日本に40あり、Jリーグを目指すクラブが日本全国にたくさんあるという現状では、チームの数だけサッカー選手がいるわけですから、プロサッカー選手になるということが、ただの夢ではなくなってきていると言えます。常々保護者会等でも話しているように、「サッカー選手になることは難しいことではない」ということは、本気で言っているし、実際にそうですが、“プロサッカー選手の定義がプレーすることによりお金をもらう”ということであれば、という前提があってのことです。年俸が200万円や300万円で果たしてプロサッカー選手と言えるかというと、私はNOです。
プロフェッショナルの定義は、
■ 他人にはできないプレー(パフォーマンス)
■ 他人には負けない日々の努力
■ 他者からの評価(年俸・人気等)
の3つだと思います。
サッカーを楽しむ子どもたちには、いわゆるプロサッカー選手ではなく、“真のプロフェッショナル”である、サッカー選手を目指してほしいと思います。好きなことに好きなだけ取り組み、プレーすることで人々を喜ばせ、そして社会からもきちんとプロとして評価される。こんな幸せなことはないと思います。本気で高いレベルを目指していただきたいです。 

〜腰骨立てよう〜

日本語の“腰”という漢字には、いろいろな活用がされ、いろいろな意味が込められています。
◇ 腰を据える
◇ 腰を折る
◇ 腰砕け
等々

身体の一部である“腰”は、文字通り身体の“要(かなめ)”だと言えます。香川選手や長友選手のドリブルしている姿からもわかるように、背骨が腰骨にしっかりと立った姿勢のままです。中田英寿元選手のドリブルもそうでした。
最近は“体幹”という言葉で表現されることが多いですし、体幹トレーニングというものが注目されています。もちろん、そういったトレーニングも重要なのは間違いないと思いますが、トレーニングは、練習場やスクール会場で実施するものと、日々心がけて実施するものとがあると思っています。
練習では指導者(コーチ)がいろいろなプログラムを組んでくれています。一方で、それ以外の自分の生活時間の中でいかにトレーニングするかも重要です。スクール開始当初から言っているように、日々の生活の中で少しでも多く歩いてほしいし、階段も上り下りしてほしいです。身体を使って家のお手伝いもしてほしいです。そして、腰骨を立てて生活してほしいと思います。
腰骨を立てると様々な良いことがあります。
◇ 視野が広がります。 
◇ 見た目に美しい姿勢となります。 
◇ 頭(脳)が活性化します。
◇ 食べ物がおいしく食べられます。 
◇ 足が速くなり、身体が強くなります。

これは、子どもだけでなく、大人にとっても同じ効果があります。
また、精神的な状況・状態が姿勢に自然に現れるように、姿勢を正せば気持ちも変わってきます。

☆ ☆ ☆
常々伝えていますが、心も身体も、そして技術もすべてが重要です。
そのなかで、腰骨を立てることを心がけることで、心も身体も元気になります。そして、技術の習得にもプラスに働きます。
食事するとき、座っているとき、立っているとき、是非とも子ども達に“腰骨を立てること”を口やかましいくらいに伝えていきたいと思いますし、保護者の方々からもこのことを習慣づけるように伝えていってもらいたいと思います。
そして、真のプロフェッショナルを目指してもらいたいです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努コラム「結果とプロセス」

[2012年12月号 FORCEより]

毎年出場させてもらっているスポーツオーソリティーカップで、今年は見事全国大会で準優勝することができた。大会自体は参加チーム数からしてみれば、どこまで真の日本一を決める大会に近いかは何とも言えないが、今回全国大会へ参加させてもらい、改めてその価値を感じることができた。

私はサッカーを始めてプロサッカー選手になるまで、全国大会へ一度も出場したことがない。大学時代に学生選抜に選ばれ、地域対抗戦に出場させてもらったことが大きなきっかけだった。その大会では全国を5か6地域にわけて、各地域選抜チーム同士があつまって競うのだが、当然Jクラブのスカウトも注目している大会だった。そこで、優秀選手(確か、32名)に選ばれて東西対抗という試合に出場させてもらった。これが自分にとっては自信となった。当時の大学サッカー界でのスター選手達(秋田豊・三浦文丈・藤田俊哉・名波浩等等)と一緒にプレー(対戦)したことで、自分の立ち位置を何となく感じることができたのだ。“同じ年代のトップレベルのプレーはこんな感じか。だったら、俺もそこそこできるのではないか!”というなんとなくの実感だった。
そんな実感をしたころから、プロチームから練習参加の打診がくるようになり、一気にプロ選手になる流れに乗って行ったことを覚えている。

自分のレベルとか、立ち位置を感じる機会は、サッカー選手にとって重要な機会となる。“まだまだだな”と感じることも大事だし、“もう少しやれば、追いつけるかも”と期待を持てることも大事だ。
今回のスポーツオーソリティーカップは、そんな機会を参加した選手達に提供できた。決勝での対戦相手は大分県からの参加チームで今年の夏の全国大会に出場し、ベスト16に入ったチームだったそうだ。我が埼スタチームはそんなチーム相手に2度もリードされながらも同点に追いつき、PKで敗れたわけだが、互角以上に戦っていた。贔屓目に見てしまっているかもしれないが、サッカーの内容は埼スタチームの方が面白いものだった。1人1人が個性を表現していたし、出場選手達がみな同じように活躍し、かつ、チームとしても機能していた。個々のレベルをみれば、間違いなく埼スタチームが平均的に非常に高いレベルにあった。そして、クレバーなプレーだった。

今回の大会で、参加選手達は自分たちのレベルを少しでも感じてくれたのではないかと思う。結果は全国大会の準優勝ということで、それはそれで素晴らしいことだが、強い対戦相手に互角以上の戦いをしたという経験は選手達へ自信を持たせてくれたはず。このような経験が、サッカー選手としては大切だと思う。

よく、少年サッカー指導者の間でも、結果を重視するか、育成を重視するかという議論がされるし、永遠の答えがないテーマではあると思う。育成が大切であることは間違いない。
一方で、育成ということを大命題としたうえで、そのために結果がおおきく育成に貢献することもある。
この結果と育成(プロセス)のバランスをうまくとれる指導者が優れた指導者なのだと思う。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「子育て・サッカー指導とコーチング」

[2012年11月号 FORCEより]

コーチングという言葉は、ビジネスの世界では珍しくなくなってきている。スポーツ指導者だけでなく、ビジネスマンや家庭においても使われるようになってきた。

Coach(コーチ) と Teach(ティーチ) の違いを簡単に説明してみると、、、
Teach は学校の先生をTeacherというように、いろいろな知識や読み・書き・そろばん等を“教える”事。主導権はあく
までも教える側にある。目的地も先生が決める。
一方のCoach は、目的地を決めるのも主導権もあくまでもCoachされる側にあり、Coachする側は主体となる子ども
自身が行きたいと思う目的地にどうやったら到達できるかをアドバイスしたり誘ったり(いざなったり)する。
昨今、コーチングが注目されるようになった理由は、強制したり、義務づけたりしてやらせるよりも、主体性をもってやらせる方がよっぽど効率的であり、成果につながるからである。

このことは、子どもに対するスポーツ指導にも当てはまる。無理矢理やらせても長続きはしないし、身につかない。
しかし、一度“やりたい”と思わせることができれば、子どもは自分でいろいろな工夫をし始め、言わなくても自ら取り組むようになる。一方で、
いつも「〜〜しなさい」等言われていると、言われることになれてしまい、自分から考えたり行動を起こしたりできない人間になってしまう。
コーチングの醍醐味は、人間の能力を最大限に発揮させるところにある。

ここで注意しなければならないのが、コーチングと放任を混同してしまうこと。土台のできていない人間にコーチングは適していない。そしてコーチングがすべてではなく、ティーチングとコーチングをうまく組み合わせる必要がある。例えば、人間としてのマナー(挨拶・礼儀・作法等)は、有無を言わさず教え、やらせる(ティーチング)する必要があるし、どんなスポーツでも基本技術を身につけるには徹底して教えて繰り返しさせるしかない。基本技術を身につけることは、えてして面白くはないし、単調な繰り返しが必要とされる。こうした“面白くない”練習や訓練については、強制することが必要だし、その必要性を根気よく説明していかなければならない。
しかし、いったん土台ができてしまえば、その上にどのようなものを積み上げていくかは子どもに任せて自由にやらせることがよく、大人(親・指導者)の役割はいろいろな材料を与えて、方向性が間違ったときに軌道修正してやることではないだろうか。

子どもはあくまでも1人の(いつかは)自立する人間であり、親が所有しているものではない。当たり前のことかもしれないが、子どもへの姿勢を改めて考え直すと、ティーチングしすぎている(あれしなさい、これしなさい、あれはしたの?等等)ことがないだろうか。
コーチングとティーチングのさじ加減。
一度考えてみてはどうでしょうか?

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「日本のスポーツ推薦制度」

[2012年10月号 FORCEより]

小学生にとっても、中学生にとっても進路が気になる時期になってきました。
我々が小学生や中学生の時には、進路といっても限られていて、選択の幅が今ほどなかったのでさほど迷うこともなかったように思うのですが、今の子ども達にはスポーツと勉強等で様々な選択肢があり、逆に親としては頭を抱える事もあるのではないでしょうか?

日本にもスポーツ推薦制度というものがあります。
少なくとも、私が今までに見てきた日本のスポーツ推薦制度には問題があると思っています。それは、スポーツだけしていれば、高校・大学と進学できる世界です。(それがアメリカのスカラーシップ制度とは大きく違うところです。)

昔であれば、スポーツさえしていれば高校・大学と進学でき、そのまま社会人の実業団チームへ入り、その実業団チームの企業にも正規採用として就職できました。そして、選手を引退後もその企業の正社員として働くことができました。また、実業団へ入らなくても、大学の体育会等で一生懸命スポーツに取り組んできた学生は就職活動で有利でした。しかし、その世界も変わってきています。我々の頃は体育会系や運動部に存在するいわゆる理不尽な世界や厳しい上下関係にもまれて、人間としての“生きる力”がはぐくまれた事は否定できません(決してそのような世界を肯定するわけではありませんが)。しかし、今となっては強豪チームでさえもプレーにおけるパフォーマンスが優先され、上下関係やいわゆる“堪え忍ぶ”経験が少なくなっていると言います。

選手としてキャリアを続けていく場合、昨今では企業の実業団チームがどんどんと閉鎖に追い込まれ、一方サッカーにおいてはプロ選手の可能性が広がってきています(現在、Jリーグクラブは全国で40クラブ、毎年約1100名のプロ選手が現役として活躍)。しかし、プロという職業は、選手としてのキャリアが終わった時には、自分でその先の進路を探して生きていかなければなりません。私が引退した10年前はまだ元プロサッカー選手という肩書きは珍しかったですが、毎年100名が引退するような現在では、元プロサッカー選手というだけでは生きていけない現実があります。一方で、Jリーグの選手達の報酬を考えると、とてもではありませんが、一生食べていけるお金を稼げるわけでもありません。

仮にプロ選手になったとしても、プロ選手になれなかったとしても、“生きる力”として、好き嫌いにかかわらずやらなければならない事に一生懸命取り組む経験はベースとなると思っています。学生の場合、それが勉強です。社会人になれば、それが仕事です。
楽な道を選ぶためのスポーツ推薦ではなく、より良い環境を求めるためのスポーツ推薦であってほしいと思います。そして、中学生でも高校生でも、大学生でも本分はあくまで勉強です。そこだけは見失ってほしくないと思います。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「女子サッカーの見所」

[2012年9月号 FORCEより]

ロンドンオリンピックでなでしこジャパンが銀メダルを獲得し、U-20 Women’s World Cup でもヤングなでしこが大活躍している(8月31日現在、ベスト4進出)。

数年前に初めて女子サッカー(なでしこリーグのリーグ戦)を観戦したときに感じたことは二つあった。一つは、技術レベルや興業としてのおもしろさが少し物足りないということ。やはりスピードやダイナミックなプレー等、正直言ってお金を払ってまで観たいとは思わなかった。もう一つは、選手達がジャッジや対戦相手に全く文句を言わずに、どんなファウルをうけても、どんなジャッジが下されても一言も文句を言わずに次のプレーにきりかえている姿勢が印象的だったこと。例外もいるのかもしれないが、今まで女子のサッカーを観ていて、露骨に文句を言う選手や相手選手にくってっかかる選手を観たことがない。この選手達の姿勢は、観ていて気持ちが良く、非常に好感が持てる。
スポーツの原点(フェアプレー精神)を改めて勉強させてもらったという気持ちになった。

昨年のWomen’s World Cupから今年のオリンピック、U-20 Women’s World Cup と、この選手達の姿勢に変わりはなく、それに加えて選手達のレベルが最初に私が観戦したときに比べて飛躍的に上がっている。技術・戦術レベルとしても観ていておもしろい内容になっているし、一切文句を言わずに、ただひたすらボールを追いかけ選手達がひたむきにプレーしている姿に日本国民は心を打たれたに違いない。
この選手達の姿勢は、メディアに向けたときも同じ。インタビューに応える姿勢や表現は(男子の選手達にくらべ)気持ちや想いが伝わってくる。こうした点も今の女子サッカーが世の中で認められ、応援されるようになった大きな要因ではないかと思う。

少年サッカーでも、やはりヨーロッパの各国リーグ戦でも、Jリーグでも、選手が相手や審判に詰め寄って文句をいうことは普通に行われているため、子ども達がまねすることも仕方がない。しかし、勝つことが最も重要視されるプロサッカーでは、設定されたルール内でなんとか相手に打ち勝つことが要求される。審判に詰め寄ることを繰り返しているとジャッジの基準が変わることもあるため、選手達は審判の顔を見ながら審判に対する姿勢を試合によってコントロールしている。
少年サッカーで大事なことは勝つことではないから、大人としては、あのよう行動をまねしてはいけないということを伝えていきたい。そして、なでしこジャパンの選手達を見習って、ひたすらボールに集中して、ゴールへ向かう姿勢から何かを感じてほしい。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努コラム「目標達成シート」

[2012年8月号 FORCEより]

この6月より、小学3年生以上には“目標達成シート”、小学2年生以下には“がんばりましたシート”を配布し、スクールとして活用を始めました。今まで、年に2回、評価シートというものを作成し、配布してきましたが、この内容を一部見直すことと、個々の進歩や成長を個々に評価することが目的となります。

イチロー選手や石川遼選手の小学校卒業時の作文は有名ですが(まだ読んだことがない方は是非一度読んでみてください)、やはり、目標を設定してそこへ向かって日々何かを積み重ねていくことは、サッカーだけでなく、人生の中でも重要であり、だれもが死ぬまで実践していくプロセスだと思います。“サッカー選手になりたい”とサッカースクールに通う子どもたちは口をそろえて言いますが、「どんなサッカー選手になりたいのか?」「何歳でプロデビューしたい?」「そのためには、小学校卒業するころ、中学校を卒業するころにはどんな風になっていたい?」というように、近い将来へブレイクダウンしていくことが次のステップとしては重要になります。
目標達成シートは、そのような作業をしてもらい、夢の実現へ一歩でも近づいてもらいたいという願いが込められています。
夢と目標の違いは、期日を入れることです。

今年の3月に実施したスクール生対象の卒業イベントでは、ZYGシートというものを配布し、後日提出してもらいました。これは、義務ではなく任意ですので、約10名がZYGシートに将来の夢(目標)と中学・高校の3年間ですべきこと、達成すべきことを書き込んでくれました。このシートを配布する前から、自分でノートに細かく目標設定をしているスクール生もいて、そのコピーを提出してくれました。それらのシートをみているだけでも、わくわくしてきますし、ますます応援しようと思います。
彼らには、中学卒業時にこのシートを送付し、また、その時点で目標やそこまでのプロセスを書き直してもらい、夢に一歩でも近づいてもらいたいと思っています。

子どもがまだ夢や目標を書くことが出来ないという心配もあるかもしれません。
当然、すべてのこどもが大きな夢を持っているわけではないと思います。まだ、わからないということも当然だし、普通だと思います。夢や目標は持つことを強要するものではありませんので、その場合は身近なところから、「どんなプレーがしたいか?」とか、「どんなサッカーの技術を身につけたいか」など、イメージできるところから始めても良いと思います。仮に将来の夢がプロサッカー選手でなくても、サッカーやスポーツへの関わり方はそれこそ数え切れないほどありますし、正直何でもよいと思っています。
大切なことは、これをきっかけに自分の将来について想いを巡らしてみて、イメージして、それを紙に落とし込んでみることです。それで、いままでよりも少しだけでも自分の未来を頭の中に描いてみてほしいです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努コラム「埼スタサッカースクールの魅力① 〜いろいろな指導者と考え方〜」

[2012年6月号 FORCEより]

サッカースクールが休みになり、スクールのスタッフたちともじっくりといろいろな話ができる時間をもらっています。
指導者というのは、サッカーに限らず、多かれ少なかれ自分の哲学を持っています。経験を積めば積むほど、その哲学は自分が通り抜けてきた成功や失敗が蓄積されていき、強い信念へ変わっていきます。
一方で、指導者としては、常に時代の流れや環境の変化にも敏感にそして即座に対応する姿勢と資質が求められます。
この埼玉スタジアムサッカースクールには、いろいろな考え方を持った指導者がいます。

とにかく、大きな声で子ども達をほめて、楽しい時間を作り出し、少しでも子ども達に楽しく、そしてうまくなってもらおうと必死にがんばる指導者

少しでも強く・上手になってもらい、チーム活動でも活躍できる選手を育てて、1人でも多くトップレベルのチームへ入ってもらいたいと工夫を続ける指導者

多少、だらしなくても、楽しくサッカーをプレーして、サッカーが大好きっていってくれれば、必ず立派な大人になってくれると信じ、そんな子ども達が大好きな指導者

まだまだ、指導者として自分の哲学を見つけられずに試行錯誤を繰り返し、もがいている指導者

指導を始めたばかりで、空回りしがちな指導者
等々、説明すると人数分の説明が必要なので、ここまでにしておきます。

サッカースクールを作り始めのとき、保護者に聞かれたことがありました。
「何年生で、どこまでの技術を教えるのですか?」 「コーチによって指導方法が違うようですが、マニュアルはないのですか?」
指導方法のマニュアルなんてありません。ないほうがよいです。
学年によっての基準もいりません。今の個々の子ども達の状態が“基準”です。
子ども達のあるがままの姿を認め、受け入れ、チャレンジする姿勢を身につけ、成功する喜び、失敗する悔しさをサッカーというスポーツを通じて経験してもらう。

それに対するアプローチを個々のコーチが考えて実践する。 このサッカースクールはそんなサッカースクールです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「2つのゴール」

[2012年5月号 FORCEより]

「ユース世代のスポーツを通じた育成には2つのゴールがある。一つは試合に勝つこと。もう一つは、人生を学ぶこと。」
こんな指導者の言葉を目にしました。
たまたま、今年度の保護者会では“埼スタ こどもサッカー憲章”を印刷し、子どもたちへ配ったところでした。
設立当初から保護者の方々から「サッカーの技術さえ教えてくれれば良い」という要望を受けたり、「とにかく、子どもを上手くしてほしい」という声を聞いたりしてきました。

サッカースクールへ通う理由は様々ですが、サッカーが上手くなってほしいという思いは変わらないと思います。そして、サッカーが上手くなるためにはどうすれば良いのか。指導者にとっては永遠の課題ですし数え上げればきりがありませんが、私の考えをシンプルにまとめてみました。

1. 人間としての力をもつこと

“人間力”というと簡単な表現になってしまいますが、規律をまもったり、仲間を敬ったり、人や社会のためになることを実践したり、つらい時こそ正面から困難に取り組んでみたりできる人間になれば、厳しい大人の世界(プロの世界はもっと厳しい)でも自力で乗り越えていけます。

2. サッカーが心の底から大好きであること

好きこそものの上手なれということわざにあるように、好きだからこそ主体的に取り組めます。やらされている間は、進歩は見込めません。スクールの練習でも、与えられた練習や課題に対し、“やってみよう”という姿勢がなければ吸収はできません。そして、大好きで一生懸命とりくむから、涙が出るほどくやしくて、大騒ぎしたくなるほどうれしいのです。

3. 質・量ともに充実した練習環境にあること

ただ、長い時間練習するのではなく、密度の濃い練習を効率よくこなす。そして、ライバルや他の選手よりも沢山の練習をこなす。上達するためには避けて通れない道です。

人間力がサッカー選手としての礎となり、その上にサッカーの技術や戦術を積み重ねていき、一流の選手が育っていくのだと思います。
サッカースクールなのだから、3つめの技術・戦術の部分だけやれば良いという声もありますが、サッカーを上手になってもらうという目的を持つ以上、1つめ、2つめの土台となる重要な部分についても、伝え続け、感じていってもらいたいと考えています。そして、3つめの技術・戦術を教えていくところについても、『日本で最も質の高いスクール運営並びに指導をしている』と自負できるところまで持って行きたいと思います。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「2012年度という年」

[2012年4月号 FORCEより]

新年度となり、新しい学年でのスタート・新しい学校でのスタート、そして出会いと別れがある季節です。それぞれの立場で新たなスタートを新鮮な気持ちで迎えているのではないでしょうか?

昨年の震災から1年が経ち、関東ではすっかり普通の生活を取り戻し、あのときのことを忘れがちです。当たり前の日常生活がどれほど有り難いものかを忘れずに、毎日を精一杯生きていきたいと思います。

〜2012年はオリンピックイヤー〜

言うまでもなく、今年はロンドンオリンピックが開催されます。サッカーについては男子も女子も出場が決まり、大会での活躍が期待されます。特に、昨年のワールドカップを制したなでしこジャパンについては、世界中が注目することになります。そうしたプレッシャーの中でどんなドラマを魅せてくれるのか楽しみです。男子についても、清武選手や原口選手に続くニューヒーローが出てきてほしいものです。
加えて、今年はJリーグが設立されて20年目となります(実はイングランドプレミアリーグと同じ設立)。40クラブまで増えたJクラブですが、それぞれの色や文化が少しずつ出来てきています。昨年、J1昇格したばかりの柏レイソルが優勝したように、どこが勝ってもおかしくないJリーグ。今年はどこが躍進してくれるのかに注目したいです。

〜2012年の日本〜

教育・政治については、国民が自分たちの頭と力で自立しなければならないと日々思わされます。経済についても、アジア・世界という視点が必要不可欠になってきています。そんな世の中ですから、子供たちにも常に視野を広く、常識にとらわれない考え方をもってもらいたいし、持つ習慣をつけてもらいたいものです。英語の学習はそうした視野をもつためのきっかけになります。英語を学習することで、日本とその文化についても造詣を深めてもらいたいと思います。

2012年度の埼玉スタジアムサッカースクール
7年目を迎える埼玉スタジアムサッカースクールは、今までよりも会員の皆様に近い存在になりたいと考えています。
● サッカーとふれあい、楽しむ場所
● 友達と楽しく過ごす場所
● サッカーに真剣に取り組む場所
そして、保護者の方々と共に
● 子供たちの環境(サッカーを中心とした)について考える場所
● 子供たちの将来について考える場所
● 保護者の方々の話を聞ける場所

こんな“場”にしていきたいと思います。
2012年度も引き続きよろしくお願いします。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「世の中の流れ!」

[2012年3月号 FORCEより]

今では、幼児でも小学生でも英語教育は人気だと聞く。各種習い事の人気ランキングを見ても、やはり英語学習・英会話はトップのようだ。
果たして、子供にとって英語はどこまで必要なのか。

グローバリズム・国際化・ボーダレス云々。
このような世界になると言われ始めて久しい。日本企業でありながら英語を社内共有言語にする企業も出てきているし、確かに英語が話せ・読め・書ければ便利になるし、一つの武器にもなるだろう。しかし、ここで強調したいのは、言語はツール(技術)であり、目的ではないということ。そして、そうしたツールの習得・獲得は大人になってからでも遅くはないし、早期教育でないとネイティブの発音ができないとか言われるが、ネイティブの発音ができないからといってコミュニケーションがとれないわけではない。逆に「母国語を十分に理解しないうちから第2外国語を学び始めると、母国語の発達に悪影響を与える」という学説もある。(あまりに長い論文なので、まだ読破できていないが。)
ツールとしての語学は、それを使って何をしたいかということが本論であるべきだと思う。目的を果たすためであれば、本人が意欲を持ってやる気を持って取り組むため、進歩も早い。私もイギリスでサッカービジネスのマスターに入って勉強するという目的を持ってから英語を始めたが、明確な目的があったから勉強もさほど苦にはならなかった。

そして、英語をある程度話せるようになってから痛感したことは、英語というツールを使えない自分がいたことだ。言い換えると、自分が日本の歴史や文化を余りに知らないこと、そして自分の価値観や感情を表現することがあまりにもできなかったことだ。ツールは持ったが、その持っている人間の中身がなかったということになる。
自分の国の歴史や文化を知っていること
自分の意見や価値観をはっきりと伝えられること
自分(日本)や他者(外国)に敬意をもち、互いを尊重できること
こうしたことができて、初めて英語(語学)というツールが役に立つ。順序や優先順位から言えば、ツールよりも中身を充実させることが絶対に先だと思う。幼少期から英会話を習うのであれば、それと同じくらいに日本語や習字や読書等にも時間を割いてほしいと思う。

今の世の中、売れるものと言えば、「***すれば###」的なハウツーものや「***すれば、簡単に###」的なものが多いように思う。簡単に習得できるものに本物はないというのが私の持論。
「英語ができれば***」ということを期待するのではなく、「###な人間でかつ英語ができれば、****」というストーリーを考えたい!!!

【このコラムは2011年5月〜埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「自分を持つことと人の話を聞くこと」

[2012年2月号 FORCEより]

先日、湘南ベルマーレの新監督に就任された曺貴裁(チョウ・キジェ)監督と話す機会があった。新しい仕事に対して胸膨らませている様子でいろいろな話をさせてもらったが、少し驚くような話もあった。「トップで契約した若手選手に、なんか話してくれへんか。プロとしての心構え的なことを、、、」とのこと。チョウさん曰く、どうもここ最近のプロ選手の中には自分の信念とかやりたいプレーとかを表現できないだけではなく、そういったものが選手から感じられないことがあるという。そのあたりは非常に物足りないらしい。言われたことをやるだけの選手では戦っていけない。

一方で、私がプロ選手だったころは、グランド上で自分という軸を持っていない選手はどんどんと排斥されていった。言葉を変えると、グランド上で自分を表現できない選手はいくら技術があって、フィジカルが強くても生き残ってはいけなかったということだ。我の強い選手が、グランド上でも優位に立ち、活躍していた。

〜強い個性と協調性〜

ただし、強い個性があるだけでも十分ではない。
わがままと個性の違いは、他人や周りのことを考えるか考えないかではないかと思う。わがままなプレーをする選手はチームに貢献することができないが、個性を発揮できる選手はチームの勝利に貢献できる。この違いは大きい。太い軸(強い信念と個性)を持ち、かつ周りともコミュニケーションができ、全体的なことも考えられるような選手が増えてほしいと思う。 やはり、バランスだ。

〜スイッチが入る瞬間〜

以前、大宮アルディージャの育成コーチと話す機会があり、育成年代の選手達に“スイッチが入る瞬間”があると言うことを聞いた。それまではコーチが何を言っても右から左へ抜けていた選手が、あるとき突然何かのきっかけでコーチの指導を聞いて理解する姿勢を持ち始め、大きく成長のスピードが変わったということだった。やはり、周りとのコミュニケーションは必要不可欠なのだと改めて思った。

〜土台としての基礎〜

小学生年代でもすでに個性を持ち表現できる選手、できない選手、周りが見えている選手、見えてない選手といろいろだが、いずれにせよ基礎が身についているかどうかがその上に築くパフォーマンスの可能性を大きく左右する。しっかりとした基礎(心・技・体)を小学生年代に培っておけば、それを土台にいろいろなモノを積み重ね表現していけるようになるが、逆に土台となる基礎が疎かでは、積み重ねを期待することはできない。
心・技・体の基礎を築くためには繰り返し・時間・習慣が重要となる。技(基本技術)の習得は何度も、単調でつまらないかもしれないがシンプルなトレーニングを積み重ねなければならないし、体の基礎はそれこそ日々の積み重ねがあってのものだ。そして心の基礎は、日々の習慣に根ざしている。

冬、葉を散らしている木々は根っこをしっかりと張り巡らして水分を吸い上げて、来る春に備えているという。
小学生年代のうちにしっかりと基礎を身につけ、その上で強い個性を築き上げて表現できる選手になってほしい。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「 2012年 あけましておめでとう」

[2013年1月号 FORCEより]

2013年になりました。あけましておめでとうございます。
今年が埼玉スタジアムサッカースクールに関わるすべての人にとってすばらしい一年になりますように。また、積極的にすばらしい一年にしたいと思っております。
今年も一年、よろしくお願いします。

〜20周年のJリーグ〜

サッカー界にとっては、プロサッカーリーグ(Jリーグ)が開幕して、ちょうど20年となります。プロリーグとして、振り返ると歴史を積み重ねてきているのだと実感できます。ヨーロッパのプロリーグが100年以上の歴史があることに比べれば、また、80年近くの歴史がある日本のプロ野球にくらべてもまだまだだが、その発展のスピードとクオリティは世界に誇れるものになっていると思います。

〜ハードルが低くなっているプロの壁〜

Jクラブは日本に40あり、Jリーグを目指すクラブが日本全国にたくさんあるという現状では、チームの数だけサッカー選手がいるわけですから、プロサッカー選手になるということが、ただの夢ではなくなってきていると言えます。常々保護者会等でも話しているように、「サッカー選手になることは難しいことではない」ということは、本気で言っているし、実際にそうですが、“プロサッカー選手の定義がプレーすることによりお金をもらう”ということであれば、という前提があってのことです。年俸が200万円や300万円で果たしてプロサッカー選手と言えるかというと、私はNOです。
プロフェッショナルの定義は、
■ 他人にはできないプレー(パフォーマンス)
■ 他人には負けない日々の努力
■ 他者からの評価(年俸・人気等)
の3つだと思います。
サッカーを楽しむ子どもたちには、いわゆるプロサッカー選手ではなく、“真のプロフェッショナル”である、サッカー選手を目指してほしいと思います。好きなことに好きなだけ取り組み、プレーすることで人々を喜ばせ、そして社会からもきちんとプロとして評価される。こんな幸せなことはないと思います。本気で高いレベルを目指していただきたいです。 

〜腰骨立てよう〜

日本語の“腰”という漢字には、いろいろな活用がされ、いろいろな意味が込められています。
◇ 腰を据える
◇ 腰を折る
◇ 腰砕け
等々

身体の一部である“腰”は、文字通り身体の“要(かなめ)”だと言えます。香川選手や長友選手のドリブルしている姿からもわかるように、背骨が腰骨にしっかりと立った姿勢のままです。中田英寿元選手のドリブルもそうでした。
最近は“体幹”という言葉で表現されることが多いですし、体幹トレーニングというものが注目されています。もちろん、そういったトレーニングも重要なのは間違いないと思いますが、トレーニングは、練習場やスクール会場で実施するものと、日々心がけて実施するものとがあると思っています。
練習では指導者(コーチ)がいろいろなプログラムを組んでくれています。一方で、それ以外の自分の生活時間の中でいかにトレーニングするかも重要です。スクール開始当初から言っているように、日々の生活の中で少しでも多く歩いてほしいし、階段も上り下りしてほしいです。身体を使って家のお手伝いもしてほしいです。そして、腰骨を立てて生活してほしいと思います。
腰骨を立てると様々な良いことがあります。
◇ 視野が広がります。 
◇ 見た目に美しい姿勢となります。 
◇ 頭(脳)が活性化します。
◇ 食べ物がおいしく食べられます。 
◇ 足が速くなり、身体が強くなります。

これは、子どもだけでなく、大人にとっても同じ効果があります。
また、精神的な状況・状態が姿勢に自然に現れるように、姿勢を正せば気持ちも変わってきます。

☆ ☆ ☆
常々伝えていますが、心も身体も、そして技術もすべてが重要です。
そのなかで、腰骨を立てることを心がけることで、心も身体も元気になります。そして、技術の習得にもプラスに働きます。
食事するとき、座っているとき、立っているとき、是非とも子ども達に“腰骨を立てること”を口やかましいくらいに伝えていきたいと思いますし、保護者の方々からもこのことを習慣づけるように伝えていってもらいたいと思います。
そして、真のプロフェッショナルを目指してもらいたいです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「節目となる進路 2」

2011年12月号 FORCEより]

前月に引き続き、子どもたちの進路について 選択肢が沢山あるということは、好ましいことである一方、どうして良いのかわからなくなる可能性もあると思います。我々が子どもの頃は、サッカ ーをする上で,少なくとも小学生年代で進路について考える余地などありませんでしたから、その点、恵まれていると言えるのかもしれませんが、悩 ましいところでもあるようです。

~Jリーガーの出身~

前月は、小学生から中学生に進む上で、3つほどの選択肢が考えられるという話しをさせてもらいました。少し調べてみたのですが、2011年度のJリ ーグ新人選手は約110名。そのうち、大卒が6割・高卒が2割・Jアカデミー出身の高卒が2割という割合だそうです。最近の傾向としては、大卒の割合 が増えてきていることでしょうか。理由としては、J1、J2合わせて38クラブありますが、J2のクラブ数が増えてきているので、そういった新しいクラ ブにとっては選手をじっくりと育成するよりも即戦力となる大卒を採用する傾向があることが考えられます。 小学校年代では、Jクラブの下部組織(アカデミー)へ入ることが一つの目標となっているかもしれませんが、Jリーグ加入する新人選手の割合からも わかるように、決して多くの選手がアカデミーを経由してプロ選手になっている訳ではないのです。

~挫折を糧にした選手達~

また、Jクラブのジュニアユースやユースに所属しながら、上のカテゴリーへ進めずに高校や大学でがんばり、プロ選手になった例も少なくありませ ん。代表的なところを挙げると、本田圭佑選手はガンバ大阪のジュニアユースからユースへ昇格できず、石川星陵高校でがんばり、今のプロ選手とし ての地位を築きました。中村俊輔選手も、横浜Fマリノスのジュニアユースからユースへ昇格できず、桐光学園からマリノスのトップチームへ加入し ました。浦和レッズの宇賀神選手は、浦和レッズユースからトップへ昇格できずに、阪南大学でプレーし、その後浦和レッズへ加入しました。 これらの例は、その年代でトップレベルの環境でプレーすることが必ずその選手の成功を裏付けてはいないことがわかります。

~サッカー選手と言っても、、、、~

プロのサッカー選手といっても、いろいろです。 現状では、約1100名の選手がJクラブとプロ契約しているそうです。その中には、1億円を超す年俸をもらっている選手もいれば300万円前後の 選手もいて、海外で活躍する選手もいれば、地域で愛されている選手もいます。少しでも高いレベルを夢見てほしいとは思いますが、いろいろな選 手がいてよくていいと言うことも子どもたちには理解してほしいです。

☆ ☆ ☆
周りの状況とか、チームメイトの進路とか気になるところかもしれませんが、サッカーをプレーする上で良い環境というのは選手それぞれによって変 わってきます。希望の進路に行ける、行けないで一喜一憂している様子もちらほら見られますが、大切なことは、与えられた環境で何が出来るかです。 どんな環境にあっても、与えられた環境で常にベストを尽くすということができれば、必ず未来は開けます。 また、ベストな、ベターな環境を求めることも良いですが、ベストな、ベターな環境を自分で作っていくという姿勢も大事だと思います。それぐらいの 気持ちがあれば、プロ選手になることも夢ではないでしょう。

【このコラムは2011年5月〜埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「節目となる進路」

[2011年11月号 FORCEより]

秋になり、Jリーグ選手にとっては、契約更改の通知を受け取る時期(Jリーグ統一契約書では、11月末までにクラブは選手へ通知する義務がある)。小学校6年生達にとっては来春以降の進路を決めなければならない時期になってきました。一昔前とは違い、選択肢が複数あるだけに保護者にとっても本人にとっても悩ましい時期なのではないでしょうか?

3つの選択肢

サッカーでの進路という意味では3つの進路が考えられます。
1. Jリーグクラブのアカデミー・JFAアカデミー
2. 地域のクラブチーム
3. 中学校のサッカー部

JリーグクラブやJFAのアカデミーは当然セレクションがあり、かなり狭き門になっています。中学生の時から、トッププロを身近に感じながらレベルの高い指導が受けられるという点では、エリート育成機関だと言えるでしょう。しかし、一方で学校や住んでいる場所から遠かったり、家へ帰る時間が10時や11時を過ぎたりするなど、犠牲にしなければならないことも少なくはありません。また、指導者はサッカーの指導のみになるので、人間面での指導や教育がどの程度出来るかはそのクラブや指導者次第になってきます。

地域のクラブチームも最近は数も増え、優秀な指導者が増えてきています。彼らは主にサッカーの指導を仕事としているプロのコーチなので、レベルの高い指導が期待出来ます。人気のあるクラブでは、やはりセレクションに多くの選手が参加し、年々狭き門になってきているクラブもあるようです。
中学校のサッカー部は、いろいろな難しさを抱えています。まず、運動部の顧問の先生が指導にあたりますが、必ずしもそのスポーツを経験している人ではなく、また土日の引率については全くの無償となるそうなので、好んでやる人が少なくなっているそうです。心身の成長が著しいこの年代では、しっかりとトレーニングもする必要があり、まだまだ選手任せにすることができないことから、熱心な先生の存否が選手の環境を大きく左右することになります。もし、熱心な先生がいるサッカー部であれば、生活態度や学業の成績等も頭に入れつつサッカーの指導にも当たれることから、Jクラブや地域のクラブチームにはない人間教育という面にも取り組んでもらえるというメリットがあります。

高校・大学の進路も?

いろいろな中学生年代の指導者と話しをしていると、高校以降の進路も面倒を見てあげることが求められていると聞きます。「どこどこのジュニアユースクラブへ行けば、指導者のコネクションでどこどこの高校へ入れてもらえるらしい」等等。所謂、サッカーにおいての推薦入学と言えるかもしれません。
私は日本のスポーツ推薦入学制度には大きな疑問を感じています。高校生の年代で競技に集中できる環境は、アスリートの育成という点ではすばらしいと思いますが、人間の育成と教育という観点では、決していいことばかりではないと思います。サッカーの能力だけで進学をすることは、結果としてはありだと思うのですが、決して目指すべきところではないと思うのです。推薦入学制度というものはあくまでもがんばった人へのご褒美的なものとしてとらえておくべきではないでしょうか。

☆  ☆  ☆
勉強もサッカーも、子ども自身がやりたい、行きたいと思わなければうまくいかないものだと思います。大人からのある程度の情報提供や強制も必要であることは間違いありませんが、最終的には本人の希望を優先させてやりたいですね。(理想論ではありますが)
強制と自主性・Teaching と Coaching。
バランスがいつも悩ましいところです。

【このコラムは2011年5月〜埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「 答えのない世の中で!」

[2011年10月号 FORCEより]

<世の中科>

昨年より、Jリーグが各Jクラブのジュニアユース選手(中学生)を対象としたキャリア教育を実施している。キャリアデザインサポートプログラムという名前で、元々は杉並区の公立中学校で始まった“世の中科”という試みをJリーグ版として日本のプロサッカー界を題材に実施し始めた。身近にある世の中の仕組みを、地域の大人や企業の人々も巻き込んで子ども達に学んでもらうという画期的な試みだ。いろいろな特徴があるが、その運営方法がおもしろい。学校のように先生が生徒へ教える・伝えるということではなく、テーマや方法を提供し、子ども達が議論をしたり、シミュレーションしたりしながらテーマについての理解を深めると同時にコミュニケーションスキルも身につけていくことができる。指導役は先生ではなく、ファシリテーター(世話人)と呼ばれる。

<正解ではなく、納得解>

今の世の中は、答えのない時代だと言える。
一昔前であれば、がんばって高校・大学へ入り、企業へ就職すれば、安定した人生を送れるという安心感があった。そのために、子どもは塾へ行き、一生懸命勉強し、少しでもよい高校・大学へ入る努力をした。
しかし、今のように価値観も多様化し、先が見えない世の中では、学歴や一流企業への就職と充実した幸せな人生がイコールで結べなくなっている。言い換えれば、人生においても、日々の生活においても、学校生活においても、“こうすれば、こうなる”的な画一的な“解”がなくなっている。
世の中科では、こうした世の中・世界で生き抜いていくために、“納得解”と“情報編集力”を重視している。
いわゆる“正解”とは、一つしかないが、“納得解”というのは、正解がなく、いくつも可能性があるなかで、自分が納得して“これだ”、“この方法だ”、“こうすべきだ”ときめたことを自分自身だけの“解”とする。そして、他から何をどういわれようと、信じた道を進む勇気を持つ。
いままでは、“情報処理能力”というものが重要だといわれていたが、今のように情報が氾濫し、簡単にいつでもどこでも情報を手にすることができる環境では、その処理よりも、あふれるほどの情報からいかに自分に必要な情報を選び出し、その情報を組み合わせたり重ねたり(編集)しながら自分の人生で活かしていくかという“情報編集力”が問われるという。

日本全国にこの世の中科は広がっているが、是非とも子ども達にはこのプログラムを経験してみてほしいと思う。

<サッカーにおける納得解>

ある意味では、サッカーというスポーツは、現在の世の中を生き抜いていく上では様々な経験や能力をもたらしてくれる。ピッチ上では、正解・不正解はなく、チームメイトとコミュニケーションしながら、様々な形でもたらされる勝利を目指す。プレーしながら、一つでも多くの“納得解”をもつ選手が活躍できる。情報を処理するだけでなく、状況を判断し、次のプレーへつなげていく。非常に高度な情報編集プロセスがプレー中の選手のなかでは行われていると言える。
サッカーでのがんばりは、人間力のアップにつながり、必ず大きくなってからの人生の節目節目で役に立つということを、自信をもって伝えていきたい。

【このコラムは2011年5月〜埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム「 サッカーを“極める”?  勉強? 遊び? 全部?」

[2011年9月号 FORCEより]

夏休み、子供たちにとっては(おそらく親にとっては一層)やりたいこと(やらせたいこと)がたくさんあり、スケジュールを決めていく上でも迷いながら悩みながら選択をし、いろいろな経験ができたのではないだろうか。ちなみに、小学3年生の我が息子たち(双子)は、この夏休みはほとんどサッカー少年団の練習や試合には行けなかったほど、様々なイベントやキャンプに参加していた。サッカー選手になりたいと彼らは言っているが、この夏の過ごし方には非常に満足しているようだし、それでいいと私も思う。

子供も親も、悩むところはおそらく、“サッカーばかりやっていて良いものか?” “勉強も、他の活動もさせたい”“けど、サッカーで他の子供に差をつけられるのも心配”等々ではないだろうか。まだまだ小学生、将来が決まるわけではないが、将来に向けての様々な種がまかれるのもこの時期。親の意向も強く影響する。
この夏、私が訪問した中国(杭州)では、小学生にはスポーツを楽しむ暇などないほど、どの子供も学校の勉強と宿題に追われている。良い学歴が良い仕事につながり、豊かな生活と人生につながるというわけだ。果たして日本ではどうか。生活や価値観・仕事が多様化し、本当のしあわせは社会ではなく、自分が見つけるものだというように世の中が変化してきているように思う。

プロのレベルでプレーした経験から思うのは、本当にグランド上で強いのは、悪い表現で言えば“サッカー小僧タイプ”だ。生活と人生においてサッカーがすべてであり、サッカーをなくせば自分に何もなくなるという危機感をも持っている。だからこそ、24時間体制全身全霊でサッカーに取り組み、それだけの進歩と上達が実現し、プロの世界で活躍できる。一方で、中途半端な“サッカー小僧”だと、サッカー選手としての自分の将来に自信が持てず、どっちつかずになるという状況で、グランド上でも長く生き残っていくことはできない。プロサッカーの世界でもそこそこだが、プレーすることが出来なくなったときに、普通の社会人としてたくさんの困難に直面する。
一方、私のようなパターンは、悪く言えば“器用貧乏”という状態だとも言える。プロサッカー界で9年間プレーできたが、日本代表に入るほどではなく、しかし、引退後もサッカーの(ビジネスやマネジメントの)世界でやりたい仕事をさせてもらっているが、世の中の誰もが認める大成功を実業界で収めているわけではない。

何を言いたいかと言えば、要するに自分(子供)がどのような人生を選択していくかであり、その課程において、我をも忘れて没頭出来ることに出会えれば、どこまでも突き進んでいくべきだと思う。そして、仕事でも趣味でもスポーツでも、熱中・集中できるものに出会い、とことん突き詰めて練習し、全身全霊で取り組み続ければ、必ず道が開け、結果がついてくると思う。
子供の場合は、周りの環境(土地・友達・親・指導者・先生等等)、思春期における精神・心理状況の揺れや、大小の失敗や挫折から、自分を信じられなくなり、プロサッカー選手になるべく“極める”道からはずれていくように思われる。それでも、他に熱中できるものが見つかれば、もちろん全く問題はないし、プロサッカー選手といっても、今の日本サッカー界には1000人ほどいて、報酬や選手寿命もそれこそ十人十色だから、自分が納得いく選手生命であればよいのだと思う。

小学生の今、プロサッカー選手になると本人が固く心に決めているのであれば、一心不乱に取り組むべきだと思う。そして、中途半端に終わらず、どこまでも突き進む強い決意が大事だ。仮にそうでなくても、サッカーが好きであれば、サッカーも一生懸命しながら、他のいろいろな経験や勉強にも同時に取り組むべきだとも思う。そのなかで、夢中になれるものに出会える。
人生に正解・不正解はない。
子供がやりたいことを自分で見つけて、進むのが理想で、親はそのサポートと情報提供や機会提供をしてあげることが大事なのではないだろうか。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努コラム「 家事のすすめ」

[2011年8月号 FORCEより]

夏休みに入り、様々なイベントやキャンプ・合宿等に参加する子供も多いと思いますが、子供たちが家にいる時間も 長くなっているはずです。そんなとき、是非とも家事の手伝いを子供にやらせてみてください。(すでにさせている 家庭も多々あるとは思いますが。)

子供だからできないと決めつけず、子供だからと甘やかさず、家庭において一つもしくは それ以上の役割を与えてください。家事の手伝いをさせることはたくさんのメリットがあります。 一つは、そのことにより自分に課された責任ということを感じ、覚えることになります。自分の責任を果たさなければ、家族に迷惑がかかるということを実感出来ま す。社会においても、サッカーのチームにおいても、自分に課された、もしくは期待される役割というものがあり、そこには責任というものが生じ、それを果たすこと で社会もしくはチームに役立つことができます。また、役割を与えることでいろんなことを習慣とすることを体験できます。

勉強でも練習でも、お手伝いでも自然とこなせる習慣になったら身につけたも同然です。逆に習慣にならなければ、いつまでたっても身につけることが難しいまま です。家事を習慣づけることで、苦もなくこなせるようになれば、勉強やサッカーの練習にも同じことが通用することがわかるはずです。さらに、家事の手伝いは身 体のいろんな場所を使う体力仕事です。言い換えると、両手両足をうまく使わなければできないトレーニングです。風呂掃除、掃き掃除、庭の手入れ、布団干し、洗 濯物干し、洗濯物の取り入れ、洗濯物をたたむ等々。すべて、今の季節真剣にとりくめば、大汗をかく一仕事です。1日のうちに、30分でもこのような手伝いをこな し、毎日つづければ、結構な量のトレーニングとなります。最後に、子供たちへ家事を分担させることにより、親の時間が少しでもゆとりができます。

ちなみに、私は子供(小学生)の頃ずっと風呂掃除が自分の担当でした。また、高校受験時(中学3年生時)は、だれよりも家に早く帰るので、夕飯のお米を洗い炊飯 器をセットする役割と洗濯物の取り入れ・たたみが日課となっていました。(加えて、フジテレビで当時16時から放映していた“夕焼けにゃんにゃん”を観ることも!) それでもきちんと志望した高校へ合格しました。

最初、子供たちに家事を覚えさせるまでは親の根気が必要ですが、何度もおしえてやれば、驚くほどあっという間に覚えてくれるものです。 また、「まだ子供にはできない」と決めつけがちです。しかし、料理は別かもしれませんが、小学生にもなれば家事で出来ないことはそんなにないと思います。どん どんチャレンジさせてみてほしいと思います。子供を変えたければ、親が変わることです。人を変えようと思わずに自分が変わることがなによりも近道です。

また、家事をさせてみた感想などもお聞かせください。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努 コラム 「 日常生活での運動を!!!」

[2011年7月号 FORCEより]

子供たちの体格が20年前に比べれば大きくなるとともに、体力が低下してきていることが指摘されたのは、最近のことではありません。食生活や社会環境の変化、車社会・バリアフリー化・遊び場の減少・テレビゲーム等の進化等々。子供が外で遊ばない環境と理由が増える一方で、日常生活において運動する機会は減り続けています。幼稚園の送り迎えや、駅までの行き帰り、ちょっとした買い物に行くときも、車や自転車が当たり前になっています。言い換えると、子供たちが日常生活で身体を使う機会や歩く機会が激減しているのです。

“歩くこと”は、運動の基本です。
そして、どんなに小さくても、どんなにお年寄りでも、負担がすくなく、たくさんできる“運動”なのです。この子供たちが“歩くこと”を、ちょっとした時間を節約するために、親である自分が面倒くさいと思うために、機会をなくしていないでしょうか?小さな子供の時からたくさん運動させる(歩かせる)ことで、日常生活の中で十分な運動の機会を得、健康になり、ご飯がおいしく食べられて、十分な睡眠をとることが出来るようになります。本来、子供(人間)は、放っておいても遊び、ご飯をたくさん食べ、たくさん眠るものです。もし、ご飯を食べない、夜寝ない子供がいるとすれば、たとえばそれは十分な運動ができておらず、間食をたくさんしておなかがすいた状態でご飯の時間を迎えられないからではないでしょうか?  言い換えると、疲れてもいないし、おなかも一杯になっていないから、夜眠くならないという悪循環です。日常生活で、もっと子供たちにさせられることがあると思います。

プロサッカー選手でも、けがをして、リハビリを始めるときには歩くことから始めます。時には30分〜1時間、歩くだけのトレーニングをします。運動の基本だからです。歩けるようになって初めて、走る、ダッシュやターンを織り交ぜる、そしてボールを扱う練習へ入っていきます。

たとえば、少しの距離や時間であれば、子供と歩くことを楽しんでみる。バスで10分の距離であれば、おそらく歩いて30分前後です。バスや車で、一瞬で行き過ぎていた道も、歩いてみるとたくさんの発見があり、楽しいものです。こうしたことを習慣化したとき、週に1〜2回30分歩くとして、それが1年、3年、5年積み重なったときの子供が合計で歩いた距離と時間を考えると、とてつもないトレーニングの量に匹敵することになります。危ないという意見もあるかもしれませんが、小学生になれば、交通ルールくらいは守れるはずです。子供に健康で元気な人間に育ってほしいという願いは変わらないと思います。サッカースクールやその他の習い事はもちろんすばらしいことだと思いますし、やり続けてほしいです。
ただ、もっと生活のなかでやれることがあるのではないかということも、時にはじっくり考え、何か思いつくことがあれば、その日から実践してみてほしいと思います。変化は必ず現れます。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努コラム 「便所スリッパ 」

[2011年6月号 FORCEより]

以前、浦和レッズのハートフルクラブでキャプテンを務める落合弘さんのお話を伺う機会があった。落合氏自身は長年日本代表で活躍され、日本リーグで得点王にもなられた方であるが、1960年代に日本代表強化の為にドイツから派遣されてきたデッドマール・クラマーさんから指導を受けた時の話は興味深かったので紹介させてもらう。

日本へ来て、日本代表チームを指導することになるのだが、選手に実践させたのは、繰り返しの“基本練習”だったそうだ。いくら国際的には弱いといえ、日本を代表する選手達にさせた練習が、キック・トラップ・ヘディングといった基本ばかりで、しかも相当に長い時間単調な練習を繰り返させたのだ。世界のトップを目指すのであれば、様々なテクニックやスキルのベースとなる基本技術が何よりも大切だと言うことを練習をもって選手達に知らせたのではないかと思う。

そして、もう一つ興味深かったのが、このクラマーコーチが日本代表選手達に、「便所スリッパは使った後はしっかりとそろえなさい」と指導したという話だ。“一流のサッカー選手になるためには、一流の人間にならなければならない。そのためには、次への準備、次に使う人の為の準備という心がけが常になければならない。そうした準備と心がけが自分のプレーにもつながるし、チームプレーにもつながる”というメッセージだったそうだ。

最近、森信三氏が書いた「修身教授録」という本を読んだ。私が卒業した神戸大学でも教鞭をとられた20世紀の哲学者であり教育学者であった人だが、曰く「学校へ行き、その子ども達がどのように教育されているかを知るには、靴箱の靴(上履き)のかかとのそろい具合を見るだけでわかる」という。
クラマーコーチと森信三氏の言うことが偶然の一致だとは思わなかった。人間としての基礎力(人間力)をつけておかないと、どんな世界でも一流にはなれないし、逆に言えば、そのベースさえあれば、何でもできる。

今、サッカースクールでは、パーソナルテーマとして「整理整頓しよう」と掲げています。サッカーの道具だけでなく、日々の生活から心がけて実践してみませんか?
いろいろな変化が感じられるようになります。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月 埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

西野 努コラム「サッカー(スポーツ)に取り組む意味」

[2011年5月号 FORCEより]

埼玉スタジアムサッカースクールは今年で6年目を迎え、年々発展し続けてきました。そして、会員の幅も幼稚園の年中から中学校3年生までと広く、 木曜日の午前中実施して
いるレディースフットサルやシーズンイベントに参加してもらう外部チームも含めると、本当にたくさんの人々に参加していただいています。初心者の子供もいれば、県内でト
ップレベルにある選手もいて、会員やその保護者の皆様のスクールに対する要望も様々です。なぜ、サッカーに取り組むのか。人それぞれだと思います。楽しいから。好きだから。
身体を鍛えたいから。友達を作りたいから。健康で丈夫な身体になりたいから。サッカー選手になりたいから、等等。

ここで頭にいつも置いておきたいことが二つあります。一つは、夢や目標をもち、どのような行動を起こすかが大事だということです。「大会で優勝したい」「プロのサッカー
選手になりたい」「ワールドカップに出場したい」、こうした夢や目標を持つことは素晴らしいことです。しかし、目標を掲げたり夢を語ったりすることは簡単ですが、その
実現へむけての可能性と実践という部分でたいていの場合“本気度”が足りていないと思います。本気になれば、全身全霊でそのことに取り組むようになるはずです。24時間、
そのことを考えるようになります。暇さえあれば、ボールを触ったり練習したくなったりします。夢や目標を本気で“できる”と信じ(自信とはこのこと)、毎日実践すれば、
必ず実現すると思います。どうやったら本気になれるか。それは、サッカーの本当のおもしろさや喜びを体験することです。上っ面の楽しさとは比べものにならない、他に比べ
ようのない喜びを知ることで、さらに、もっと追求したくなります。その境地に達するためには、全力ですべての練習や試合に取り組み、さらに全身全霊で取り組み続けるしか
ありません。一つ一つのプレーや練習、一つ一つの試合に全力で取り組むことを継続することです。子ども達には、本気で自分が夢や目標を実現できると信じ(思い込み)、
日々それにむかって努力を積み重ねてほしいと思います。そのためには、親(保護者)がその姿勢を認め、サポートしてあげることも重要となります。勝ち負けなどの結果だ
けを評価するのではなく、取り組む姿勢や夢にむかっての努力を評価し、「やればできるとおもうよ」という言葉を日々かけてあげることではないでしょうか?我々指導者にとっ
ては、子供たちにサッカーをプレーする喜びを少しでもたくさん、そして深く感じてもらうことが最大の任務となります。

二つ目は、夢や目標は人生において一つの通過点に過ぎず、結果が出ようが出まいが人生は続くということです。結果がすべてという世界は、プロの世界や現在社会におけるご
く一部であり(メディア等では、こういった部分ばかりがクローズアップされていますが)、人生の価値や本当の幸せはそこだけではないと思うのです。仮に、プロサッカー選手
になれなかったとしても、一生懸命何かに打ち込む姿勢とか経験は、必ず他の領域でも生かすことができます。スポーツの世界は結果がすべてではなく、日々の取り組む姿勢
がもっとも大事だということです。

2011年3月11日に日本を襲った大震災は、我々にいろいろなメッセージをもたらしてくれていると思っています。当たり前だと思われていたことが、決して当たり前では
ないということ。そして、目に見える形ある物がいかに大自然の前ではもろく無力かということ。スポーツにおける結果も、目に見えるものにあたりますが、それよりももっと
大切なことがたくさんあると言うことを改めて痛感させてくれました。
今だからこそ、サッカー(スポーツ)で人々に“力”を、“元気”を伝達し、社会を、そして日本という国を明るく元気で、力にあふれる姿へ変えていきたいものです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】