2014年4月7日月曜日

西野 努 コラム「Manchester United キャンプ」

[2013年6月号 FORCEより]

2013年のこの春から、Manchester United が日本国内でキャンプを実施している。
小学生から中学生を対象にした3日間のキャンプだが、非常におもしろいプログラムを提供してくれている。

ひとつは、ウォーミングアップ。リアクション系のゲーム形式のもので、「身体をウォームアップする前に、脳をウォー
ムアップさせよう」という考え方で各練習の最初には様々な練習を実施している。神経を集中させないとうまくで
きないので、選手達の集中の度合いはすばらしいモノだった。練習のはじめに選手を集中させ、コーチの方向へ向
かせるという意味では、非常によく考えられたものだと思った。
次に、各日に実施される講義。そのうちのひとつで非常におもしろかったのが、キャプテンシーについてのもの。キャプテンに必要な要素はどんなモノかという問いかけに対し、30枚くらい用意されているカードから3つを自分の考えで選ぶ。カードは[勇敢さ][決断力][優しさ]等々、表が英語で、裏が日本語になっている。そして、Manchester United のトップチームの選手の写真やビデオをみながら、「たとえば、ビディッチ選手はどんな要素を持っていると思う?」などと考えながら、キャプテンに必要な素養を考え、最後は発表する。自分で考え、仲間と議論し、自分の口で発表する。楽しい時間でありながら、ピッチ上のパフォーマンスにも生き、そして英語の訓練にもなる。有意義な時間である。

こうしたプログラムの中で、共通して大切にしている要素が3つある。
「Work Hard」一生懸命プレーする 
「Work Together」仲間と協力してプレーする 
「Believe in yourself」自分自身を信じる


閉会式では保護者が花道をつくりがんばった選手達を送り出すという非常にこじゃれた演出までしてくれ、保護者の満足度も高かった。3日間という短い時間だが、Manchester United のジャージを着て、こうした非常に充実したプログラムを満喫できる。選手も保護者もManchester United のファンになってしまっていた。

指導やプログラムだけでなく、いかにして選手達をサッカーに夢中にさせ、そして保護者も巻き込み、良い時間を提供するかという点で、非常に勉強になった。そして、いかにしてクラブのファンを造り出していくかという点でも様々な工夫がなされている。
やはり世界一のクラブだけある。
指導という点では、我々も見習うべきものがたくさんあったし、Jリーグのクラブもファン作りという点では、取り入れても良いだろうと思われる工夫が山ほどあった。そろそろ、アジアを視野に入れたJクラブが出てきてほしいものだと思う。
世界に目を向ければ、夢もふくらむ。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

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