2014年4月7日月曜日

西野 努 コラム「女子サッカーの見所」

[2012年9月号 FORCEより]

ロンドンオリンピックでなでしこジャパンが銀メダルを獲得し、U-20 Women’s World Cup でもヤングなでしこが大活躍している(8月31日現在、ベスト4進出)。

数年前に初めて女子サッカー(なでしこリーグのリーグ戦)を観戦したときに感じたことは二つあった。一つは、技術レベルや興業としてのおもしろさが少し物足りないということ。やはりスピードやダイナミックなプレー等、正直言ってお金を払ってまで観たいとは思わなかった。もう一つは、選手達がジャッジや対戦相手に全く文句を言わずに、どんなファウルをうけても、どんなジャッジが下されても一言も文句を言わずに次のプレーにきりかえている姿勢が印象的だったこと。例外もいるのかもしれないが、今まで女子のサッカーを観ていて、露骨に文句を言う選手や相手選手にくってっかかる選手を観たことがない。この選手達の姿勢は、観ていて気持ちが良く、非常に好感が持てる。
スポーツの原点(フェアプレー精神)を改めて勉強させてもらったという気持ちになった。

昨年のWomen’s World Cupから今年のオリンピック、U-20 Women’s World Cup と、この選手達の姿勢に変わりはなく、それに加えて選手達のレベルが最初に私が観戦したときに比べて飛躍的に上がっている。技術・戦術レベルとしても観ていておもしろい内容になっているし、一切文句を言わずに、ただひたすらボールを追いかけ選手達がひたむきにプレーしている姿に日本国民は心を打たれたに違いない。
この選手達の姿勢は、メディアに向けたときも同じ。インタビューに応える姿勢や表現は(男子の選手達にくらべ)気持ちや想いが伝わってくる。こうした点も今の女子サッカーが世の中で認められ、応援されるようになった大きな要因ではないかと思う。

少年サッカーでも、やはりヨーロッパの各国リーグ戦でも、Jリーグでも、選手が相手や審判に詰め寄って文句をいうことは普通に行われているため、子ども達がまねすることも仕方がない。しかし、勝つことが最も重要視されるプロサッカーでは、設定されたルール内でなんとか相手に打ち勝つことが要求される。審判に詰め寄ることを繰り返しているとジャッジの基準が変わることもあるため、選手達は審判の顔を見ながら審判に対する姿勢を試合によってコントロールしている。
少年サッカーで大事なことは勝つことではないから、大人としては、あのよう行動をまねしてはいけないということを伝えていきたい。そして、なでしこジャパンの選手達を見習って、ひたすらボールに集中して、ゴールへ向かう姿勢から何かを感じてほしい。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

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