2014年4月7日月曜日

西野 努 コラム「プレースタイルと性格」

[2013年2月号 FORCEより]

 サッカーのプレーにその選手の性格が表現されるとは良く言われる。
性格だけでなく、その時の心理状況もプレーに現れてくる。技術、体力を鍛えるだけでなく、心も鍛えなければならないのは技術や体力の使い手、司令塔となっているからだ。

 私自身、最近でも月に1〜2回、サッカーを楽しんでいるが、自分の心理状況が大きくプレーのパフォーマンスを左右することを実感する。同じボールをもらうだけにしても、“ボールもらえたらいいなあ”という気持ちの時と、“今、俺にボールを渡せ”と思っているときとでは、後者のほうが、味方がボールを渡したくなる。ボールを持っている相手と1対1で対面しているときには、“ボールをもたれている”と思うのではなく、“ボールを持たせてやってる”と考えるだけで、焦ることなく相手に対応できるし、そう思っていると、えてして相手はボールを後ろへ戻す。

 なんども繰り返し伝えていることだが、技術や体力というツール(道具)が優れていても、それを使う人間がどうやって使ったら良いかをわかってなければ良いパフォーマンスは発揮できない。いくら、包丁とまな板、素晴らしい食材がそろっていたところで、どうやって料理をしたらよいか、どう味付けをしたら良いかをわかってなければおいしい料理を作ることはできない。

 “心”を鍛えるには、どうしたらよいか。
もちろん、持って生まれた性格や気質もあるかもしれないが、子どもの頃から、逃げずに相手と勝負するという事を繰り返していくしかないと思う。11対11で試合をしていても、それで全員が勝負しているかと言われれば、そうでもないことが多い。

 相手陣地でボールをもっていて、前が空いているにもかかわらず、もしくは相手が1人しかいないのにも関わらず横パスやバックパスばかりしているようでは、フル出場したとしてもその選手は勝負をしていないと言える。奪われるのを恐れてドリブルで仕掛けない選手は勝負をしていない。抜かれるのを恐れて、ボールを持っている相手に対してアプローチしたりチャレンジしたりしない選手は勝負をしていない。
親として、指導者としては、試合の勝ち負けだけでなく、試合の中で個々の選手が真剣に勝負に取り組んだかを見ることが必要だと思う。
そして、“逃げる”ということが最も反省すべき姿勢となる。

 技術や体力アップを教えていくことはそんなに難しいことではないが、“心”を鍛えることは結構難しい。
親としても指導者としても、子ども達の“心”を鍛え、強くしていきたい。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

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