2014年4月7日月曜日

西野 努 コラム「3つのスピード」

[2013年5月号 FORCEより]

この5月終わりから6月にかけて運動会が開催される小学校も多いかと思いますが、リレーの選手だとか、徒競走だとか、足が速くなってほしいと親子ともに思う時期です。当然、サッカー選手としては足が速いことは大きな武器になります。しかし、なくてはならないモノでもないということは理解しておきたいです。

サッカー選手にとって必要なスピードは3つあります。

一つ目は、走るスピード。サッカーで一番大切なスピードは3m〜5m程度の短い距離を誰よりも速く走れることです。試合中に30mや50mを素走りでかけっこすることはほとんどなく、相手をドリブルでかわす際のスピードや、ルーズボールを奪い合う時のスピードです。所謂、瞬発力と言われる能力です。
この能力を上げて行くには、所謂フィジカルトレーニングがおもな方法になります。

もう一つは、ボールを持ったときのスピード。これは、ドリブルの技術とも言えますが、いかにボールをコントロール下に置きながらスピードの緩急をつけて相手をかわすことができるかということになります。
これは、もちろん、ドリルやスキルトレーニングが重要になります。

最後が、判断のスピードです。サッカー選手にとっては、このスピードが一番重要となります。ボールをもらってから考えるようではまったくだめで、ボールをもらったときには次のプレーへ素早く移っているという能力になります。この能力は、ボールを持っていない時間にどれだけ考え、予測し、準備しているかということが重要になります。


昨今の日本人選手は、スピードのある選手やボールを持ったときに上手な選手はたくさんいますが、やはり判断のスピードが早い選手は、ゲームを見ていても目立ちます。言葉を換えると、”Read The game”の能力です。
海外で活躍する香川選手や本田選手、ガンバ大阪の遠藤選手などは、決して素走りが速い選手ではありませんが、判断のスピードは世界のトップレベルにあります。だからこそ、あのレベルでプレーできているのです。この能力を高めていくためには、何をすれば良いという明確な方法はなかなかありません。試合の中で、練習の中で、そういった意識をたかめて取り組むしかないと言えます。また、試合や練習中だけでなく、日常生活のなかから、つねに次の為に備える習慣、人の裏をかく習慣など、思考としての習慣も重要になります。

こう考えると、日常生活のなかで鍛えるべきものがたくさんあると言えます。
勝負事はどんなことでも勝ちにこだわる。 相手の裏をかく。 次への準備を怠らない。
そんな意識付けもしていきたいです。

【このコラムは2011年5月〜2014年3月まで埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

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