2014年4月7日月曜日

西野 努 コラム「節目となる進路 2」

2011年12月号 FORCEより]

前月に引き続き、子どもたちの進路について 選択肢が沢山あるということは、好ましいことである一方、どうして良いのかわからなくなる可能性もあると思います。我々が子どもの頃は、サッカ ーをする上で,少なくとも小学生年代で進路について考える余地などありませんでしたから、その点、恵まれていると言えるのかもしれませんが、悩 ましいところでもあるようです。

~Jリーガーの出身~

前月は、小学生から中学生に進む上で、3つほどの選択肢が考えられるという話しをさせてもらいました。少し調べてみたのですが、2011年度のJリ ーグ新人選手は約110名。そのうち、大卒が6割・高卒が2割・Jアカデミー出身の高卒が2割という割合だそうです。最近の傾向としては、大卒の割合 が増えてきていることでしょうか。理由としては、J1、J2合わせて38クラブありますが、J2のクラブ数が増えてきているので、そういった新しいクラ ブにとっては選手をじっくりと育成するよりも即戦力となる大卒を採用する傾向があることが考えられます。 小学校年代では、Jクラブの下部組織(アカデミー)へ入ることが一つの目標となっているかもしれませんが、Jリーグ加入する新人選手の割合からも わかるように、決して多くの選手がアカデミーを経由してプロ選手になっている訳ではないのです。

~挫折を糧にした選手達~

また、Jクラブのジュニアユースやユースに所属しながら、上のカテゴリーへ進めずに高校や大学でがんばり、プロ選手になった例も少なくありませ ん。代表的なところを挙げると、本田圭佑選手はガンバ大阪のジュニアユースからユースへ昇格できず、石川星陵高校でがんばり、今のプロ選手とし ての地位を築きました。中村俊輔選手も、横浜Fマリノスのジュニアユースからユースへ昇格できず、桐光学園からマリノスのトップチームへ加入し ました。浦和レッズの宇賀神選手は、浦和レッズユースからトップへ昇格できずに、阪南大学でプレーし、その後浦和レッズへ加入しました。 これらの例は、その年代でトップレベルの環境でプレーすることが必ずその選手の成功を裏付けてはいないことがわかります。

~サッカー選手と言っても、、、、~

プロのサッカー選手といっても、いろいろです。 現状では、約1100名の選手がJクラブとプロ契約しているそうです。その中には、1億円を超す年俸をもらっている選手もいれば300万円前後の 選手もいて、海外で活躍する選手もいれば、地域で愛されている選手もいます。少しでも高いレベルを夢見てほしいとは思いますが、いろいろな選 手がいてよくていいと言うことも子どもたちには理解してほしいです。

☆ ☆ ☆
周りの状況とか、チームメイトの進路とか気になるところかもしれませんが、サッカーをプレーする上で良い環境というのは選手それぞれによって変 わってきます。希望の進路に行ける、行けないで一喜一憂している様子もちらほら見られますが、大切なことは、与えられた環境で何が出来るかです。 どんな環境にあっても、与えられた環境で常にベストを尽くすということができれば、必ず未来は開けます。 また、ベストな、ベターな環境を求めることも良いですが、ベストな、ベターな環境を自分で作っていくという姿勢も大事だと思います。それぐらいの 気持ちがあれば、プロ選手になることも夢ではないでしょう。

【このコラムは2011年5月〜埼玉スタジアムサッカースクール会員向けに発行していた月刊情報誌FORCEに掲載されたものです。】

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